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コラム
育児休業給付 休業前賃金の67%に引き上げ検討
2013年10月30日
厚生労働省は、雇用保険の育児休業給付について、現在
休業前賃金の50%を支給しているこの制度を見直しして、
最初の半年間ではあるが、67%支給に引き上げる方向で
動いていることを発表しました。
この67%は、産前産後休業中に健康保険法の
定める出産手当金の標準報酬月額の3分の2に
あわせているとのことです。
これで男性の育児休業取得率をあげようというのが
狙いだそうですが、このようなことをしても
男性で育児休業が取れる人は、ごく一部であり
なかなか大きな改善策にはなりませんし、ちょっと
現場の状況をよくわかっていない気がします。
30代の働き盛りな時期に休むことができないし、
会社の雰囲気や風土からそのようなことをいえないという
のも大きな原因であって、お金を増やせばいいというのでは
ないのです。
よく仕事の現場をリサーチしてから施策を打たないと
何も変らないです。
出世や昇進、今後のキャリアについて考えれば
休めないのが現状です。もちろん全然気にしないくらい
仕事ができてかなり評価されている人、あるいは職場であまり
仕事に対して割り切っている人で評価など気にしない人
また仕事が出来ない人などは、申し出さえすれば
違和感なく取りやすい環境が整っている会社も
あります。
育児休業をゆったり取れる人だけのために
このようなバラマキといわれる制度をつくっても
格差が広がるだけです。
これは年次有給休暇等の日数増加でも一緒です。
消化できる人は消化するし、使わない人は
ほとんど消化できないわけで法定とは別に
年次有給休暇日数や有給の特別休暇を増や
してもあまり効果はなく、ほんとうに休んで
ほしいひとのための制度にはならず、もともと
十分休んでいる人にさらに休暇を与えることにしか
ならないということに似ているわけです。
城繁幸氏のブログでは、下記のように過激な
見出しがついていましたが、実際の働き盛りの
男性の人の声を聞くと、収入が少なくなるから
といって育児休業がとれないという人はいないとか。
とても鋭い指摘と数字のマジックについて
あえて真実を書いているといえます。
いつも感心して読ませていただいている鋭い切り口は
今回はまさに説得力がある内容でした。
城繁幸 BLOGS
政府がばらまけばばらまくほど格差が拡大する日本
http://blogos.com/article/72496/
そんなわけで法律は改正されて、ますます
格差が広がるというのは公平な税金(雇用保険料)
の使い方ではないとあらためて皆で考え直して
意見する必要がありそうです。
保険は、負担する人がいて、支給を受けることが
できるという社会保障の原則の中で
公平な仕組みづくりを忘れないでほしいです。
公平よりも何かをやって動いている感を
出すのも必要なんだと思いますので
その気持ちがわかると難しいところですね。
読売新聞 online
育児休業給付 休業前賃金の67%に引き上げ検討
厚生労働省は、育児休業中の所得を補う「育児休業給付」について、休業前賃金の50%を支給している現在の制度を、最初の半年間は67%に引き上げる方向で調整に入った。
所得補償を拡大することで、夫婦ともに育休を取りやすくし、子育てを支援するのが狙いだ。29日に開く労働政策審議会の部会に、給付率引き上げの案を示す。
厚労省は、2014年の通常国会に雇用保険法改正案を提出し、同年秋にも新制度を始めたい考えだ。
厚労省によると、12年度の育休取得率は、女性の83・6%に対し、男性は1・89%と低迷している。現在の育休給付制度では、夫が育休に入れば収入が半減して家計には痛手となる。田村厚生労働相は今年7月の記者会見で、「男性の育休取得が低いのは、給付が低いのも一つの理由と推測できる」と述べ、給付率引き上げに意欲を示していた。
休業前賃金の3分の2にあたる67%への引き上げは、1日あたり日給の3分の2が支給される出産手当金に水準を合わせたものだ。
夫婦がともに育休を取得すれば、原則1歳までの支給期間が2か月延長される。新制度では、延長期間まで共働き夫婦が給付を受けようとする場合、妻が出産手当金の支給期間(産後8週間まで)に続いて育休に入り、給付率が50%に下がる産後8か月のタイミングで夫が育休に入れば、夫婦2人で1年間にわたり、育休中の夫か妻の給付が67%支給され続ける。
妻だけが育休を取る場合は、夫婦が交代して育休を取るケースと比べ、給付は少なくなる。
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