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コラム
諭旨解雇とは? 懲戒解雇と諭旨解雇 違いは?
2013年10月15日 公開 / 2014年7月31日更新
日本橋人形町で奮闘する
社会保険労務士の庄司英尚です。
先日、日本テレビは、大物司会者みのもんたさんの
次男(窃盗容疑で再逮捕)を諭旨解雇したと
発表しました。
そこで皆さん「諭旨解雇??」という言葉の
意味をよくわからず、疑問に思った方も
多かったのではないでしょうか。
諭旨解雇は読み仮名は、ゆしかいこ。
解雇に違いないのですが、懲戒処分の1つとなっています。
その意味ですが、諭旨とは、趣旨や理由をさとし告げることです。
こちらの諭旨解雇は、法律用語ではなく労働基準法では
決められておりません。ただし、一般的な会社の就業規則には
規定していることがほとんどです。
諭旨解雇とは懲戒処分の一種であり、労働者を一方的に解雇する
懲戒解雇よりも一段軽い処分のことを指します。
すなわち、処分の対象となる労働者に対し、将来の影響を考慮し
反省している様子なら退職願や辞表の提出を促すことで、
最悪の極刑は免除してあげますよという意味であり、処分通知をしてから
退職願を期限内(大体は7日から10日くらいで規定することが多い)
に出さないようであれば懲戒解雇になるように定めてあることが
ほとんどです。
それでもあくまで分類上は、諭旨解雇は懲戒解雇と一緒である区分。
もちろん懲戒処分を下すのは簡単ではありませんのでその懲戒の理由や
行動などその事由とこれに対する懲戒の種類・程度が明記されて
なければなりませんので就業規則がしっかり整備されていなければならない
のはいうまでもありません。あとから懲戒解雇は行き過ぎている処分だと
いう訴訟を受けないように回避することもあって諭旨解雇の懲戒処分で
とめておくということもよく見かけます。
諭旨解雇と懲戒解雇の違いは?
懲戒解雇は、懲戒処分の中で一番重い処分です。処分を
下されたら本人は、もうあとがないのです。
懲戒解雇とは、労働者の責めに帰すべき重大な事由により
解雇することなので重責解雇とも呼ばれます。
重責解雇という言葉のとおり、人として今後生きていく
上ではとにかく極刑なのです。
一般的に多い事例は、金を横領した、会社の機密情報を流出した
犯罪行為を犯して逮捕されたなどの重大な違反行為が原因です。
履歴書には、ずっとついてまわることになる
のです。再就職には障害となるのは、いうまでもありません。
ゆえに懲戒解雇された場合、そのあとの履歴書にはその旨を書いていなければ
虚偽の経歴詐称となってしまうので、とても厳しいものなのです。
なお懲戒解雇は、退職金は全額支給しないことがほとんど(一部支給する場合あり)
ですが、諭旨解雇の場合、退職金は一般的に出ます。
諭旨解雇は、従業員も反省しているし、最悪の処分は免れるようにして
あげようとする恩恵的なものなのです。企業側ののやさしさでもあり
懲戒解雇するような従業員を雇っていた情報が広まるのを避けたいと
いうこともあります。労務管理ができていないことほど恥ずかしいことは
ありませんし、横領されるような会社は内部体制に問題ありと自らいっている
ようなものですからね。
次に解雇予告除外認定についてですが
労働基準法には、諭旨解雇と同様に懲戒解雇についても規定がないです。
したがっていずれの場合も解雇予告が必要なのですが、懲戒解雇の場合
解雇予告除外認定をあとから受ける方法で実務を進めるケースが多いようです。
「解雇予告除外認定」は、単に、解雇予告の不必要を決定するだけのことで、
懲戒解雇の際には、大体大丈夫という認識を持っている方が多い
ようですが、これも解雇予告除外認定については
「労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇するとき」という要件がある
だけで一般的な懲戒解雇に該当するくらいならほぼ認定されるだろうという
前提での思い込みに過ぎません。
どこにも懲戒解雇なら労働基準監督署の解雇予告除外認定がおりると
いうことは定めていませんので誤解されませんようお願いします。
懲戒解雇で裁判が多いのは、企業が勝手に嫌がらせのような形で、
内部告発や不正をはたらいたというあいまいな理由で懲戒解雇の
理由としてクビにして退職金を払わないようにしたいだけで
他の目的のためであることが多いので、ゆえに大きなトラブル
になるのです。
懲戒解雇は、ちょっとした理由で恣意的に行うことは無理だと
いうことを覚えておきましょう。
安易な就業規則の運用は、まともな従業員から倍返しされる
いや10倍返しされてしまうこともあるのです。
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社会保険労務士 庄司英尚
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