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庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(しょうじひでたか) / 社会保険労務士

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

コラム

女性活躍推進法が成立 301人以上の企業には届出義務

2015年10月5日

テーマ:ワークライフバランス

コラムカテゴリ:ビジネス

女性活躍推進法が成立、301人以上の企業は行動計画の届出義務

●女性従業員からは反対意見も
女性が、職業生活においてその希望に応じて十分に能力を
発揮し、活躍できる環境を整備することを目的とする、「女性活躍推進法」
が8月28日に成立しました。

これを受けて女性登用の取り組みを本格的に進めようとしている企業も
徐々に増えてきているが、課題も多く、このような法律の成立にも反応が
鈍い企業もあり、また対象者である女性従業員のほうからは冷めた意見も
たくさん出ているのが現状です。



●数値目標が課せられる301人以上の企業には負担が増える
女性活躍推進法が成立したことにより、国・地方公共団体、301人以上
の大企業は

(1)自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、

(2)その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組を盛り込んだ
  行動計画の策定・届出・周知・公表、

(3)自社の女性の活躍に関する情報の公表を行わなければならない
  (300人以下の中小企業は努力義務)。

●一番のポイントとなるのは数値目標

肝心の数値目標ですが、必ず把握しなければなら
ない項目は、以下の(1)から(4)です。

任意で把握することとする項目については今後、示される予定。

(1)採用者に占める女性比率
(2)勤続年数の男女差
(3)労働時間の状況
(4)管理職に占める女性比率

管理職に占める女性比率30パーセントという目標を掲げる
のはいいですが、明らかな無理な目標は逆効果ですから
そのあたりはわかってほしいですね。

いずれにしても2016年4月1日までに、一般事業主行動計画を策定し、都道
府県労働局に届出、公表しなければならないので、時間がない中で実務担当者
にとっては厳しい状況です。

最初から法律の趣旨などの話を経営陣にしないといけない会社もあるので、
段取りも含めて実務面の負担が増えることは間違いありません。


●新法は10年の時限立法 女性の活躍を見える化をすすめる
この法律は10年の時限立法となっており集中的な取り組みを求めています。

すでに同業種の企業間ではお互いを意識しており、数値目標には敏感に
なっているところもあります。

数値目標を具体的に公開することになるので、新卒の就活の際には、1つの
会社の考え方を知る上での情報としては大いに参考になるのは大変望ましいことであります。

このように実際に女性の活躍を見える化をすすめることにつながるわけだが、数値目標だけ
一人歩きして、実態はまだ全然伴っていないという企業が出てくることも想定され、実際に
現場が混乱するところもきっとあるはずです。

前向きに考えれば時代が大きく変化していることを実感するいい機会になると
いえます。この10年でどのように働き方が変わり、社会が変化することになるのか
有識者も注目しているのは確かであります。また働いている中間管理職にとって
大きな意識改革になります。

法律ではっきり規定されれば、今まで行っていた同じような社内の活動を加速させる
ことができるので好都合であるという現場の声もあります。

●認定マーク制度は、似たような制度あったがその効果はどうだった?
女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業については、申請に
より、厚生労働大臣の認定を受けることで認定マークを商品に付することができます。

企業イメージの向上や優秀な人材の確保につながるなどといったメリットがあり、いうま
でもなく企業経営の1つの重要な戦略になっていることは間違いないといえる。

この制度認定は、次世代育成対策推進法の認定のくるみんマークと似ている
ということに気づいた人は優秀な方です。
次世代育成対策推進法も時限立法で27年3月31日までとなっていましたが
効果はどうだったのでしょうか。

私もまだまだいろいろ検証しているわけではないのですが、過去をふりかえって同じような
流れになるのかなということを少し考えたりすることも大切なのかなと思った次第です。

■最後にまとめ
社労士にとって対象となる中小企業は努力義務だからといって安心していては
いけません。法律の趣旨をよく理解して、逆にこのような政府の動きにさからわずに
女性の活躍を推進することで、業績を伸ばし、いい人材を採用することにつなげたい
ところです。ホームページの社員の仕事中の活躍している姿などは、今まで以上に
大事になってくると思います。

新聞などは、このような法律の成立に対して批判的な意見も記載されるが
世の中の動きを反映している以上無視することもできないので、それだったら
先取りして、思い切ってやってみようというのも1つの戦略なのかもしれません

■参考リンク
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

■【【株式会社アイウェーブ 公式サイト】

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