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不動産 宅建業違反に対する行政処分の時効期間

2014年7月27日 公開 / 2022年8月20日更新

テーマ:宅建業法

コラムカテゴリ:法律関連

Q 当社は,宅地建物取引業者ですが,重要事項説明書に記載すべきであったことを書かないまま,土地の売買契約の媒介をしてしまいました。
 行政処分として,何らかの処分がなされますか?また,行政処分の時効期間は何年ですか?
A 
 宅地建物取引業法35条は,宅地建物取引業者の重要事項説明義務を定めています。
 同法64条は,宅地建物取引業者が重要事項説明義務に違反したときは,国土交通大臣又は都道府県知事は、当該宅地建物取引業者に対して、必要な指示及び業務停止の行政処分はすることができると規定しています。
 ですから,程度や場合によっては,これらの行政処分を受ける可能性はあります。

 この行政処分に時効期間があるかといえば,ありません。
 しかし,国土交通省がホームページ上で公開している「宅地建物取引業者の違反行為に対する監督処分の基準」によれば,「監督処分は,原則として当該監督処分をしようとする日前5年間に当該宅地建物取引業者がした違反行為に対しすることとする。」と記載されていますので,特段の事情が無い限り,事実上,5年間が時効期間になるものと思われます。

 なお,古い資料(一般財団法人不動産適正取引推進機構が発行する機関誌「RETIO」が引用する,県庁等の宅建業者に対する行政(監督)処分可否の照会に対する旧建設省の昭和48年2月3日付け回答)には,「特段の事情のない限り,宅建業に関し不正又は不当な行為をしたときより3年を経過したものについては処分することは望ましくない。」との記載があります。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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