コラム一覧:諺にして学ぶ法
強き者よ!汝はますます強くあれ(配偶者居住権の創設)
2019-02-07
弱き者よ、汝の名は女なりというセリフは、昔むかしの、しかも遠い遠い異国のハムレットの言葉だが、今の女性は、ずいぶん強い。とくにわが国の、妻たる身、親たる身は、まことに強い。 その妻に、更なる力...
具体的には、なんぼやねん? その二
2019-02-06
その2 貢献には財で報うべし(寄与分加算や特別寄与料) 具体的相続分という言葉は、特別受益の持戻計算をする場合のほか、寄与分のある相続人がいる場合も、使われる。 要は、被相続人の財産の形成や維持...
具体的には、なんぼやねん?その一
2019-02-05
その一 トータルで平等にせよ(特別受益の持戻し) 遺産分割は、被相続人が遺してくれた遺産を分割することだが、遺産分割をするには、前段階として、その遺産を金額で表し、その金額を相続人ごとに割り振...
法の学びの始めは,法概念(法令用語)の定義から
2016-12-17
最近目にした弁護士の書いた「利得」という用語 ある民事訴訟事件。 兄である甲の訴状には, ⑴ 妹である乙は,母の存命中母の預金口座を管理し預金の出納をしていたが,母の死後甲が調査したところ,...
ストレスを感ずるか快味を感ずるかは,弁護士の姿勢で決まる
2016-12-14
甲弁護士は,自分はなんでこんなストレスの多い職業を選んだのかと悩み,乙弁護士は,緊張と苦しみはあるが,弁護士の仕事ほど快味を感ずるものはないと言う。甲弁護士に,どの点でストレスを感ずるかと問...
裁判官にも勘違いはある
2016-12-13
限られた時間内で,限られた資料を元に,事実を認定する裁判官の宿命は,勘違いによる事実認定が避けられないことである。 一例を挙げてみる。これは最近,言い渡された判決事件である。 ある交通事故...
容器は法が提供し,内容を盛るは判例なり (法律と判例の役割)
2014-12-01
損害という法概念(法律用語)がある。その内容は法の関知するところではない。損害の内容をどのように盛るかは,判例の仕事なのだ。 損害賠償請求訴訟で,弁護士費用を損害と見てもらえるかが議論されたこ...
遺言は協議に優先し,協議は遺言に優先する
2014-11-30
最高裁判所平成5年12月16日判決は,遺産分割協議をした後で,遺言書が出てきた場合,その遺言書のとおりに財産を貰いたいと思う相続人からの,遺産分割協議無効の主張(錯誤が理由)を認めた。 遺言は協議...
弱者いじめのペナルテイは高い
2014-11-29
誤解があったら,先に詫びておきたい。馬鹿にすんな。俺は弱者じゃあないぞ,という声が聞こえそうだからだ。 ここでいう弱者とは,労働者のことだ。労働者だから弱者というわけではないが,法律は労働者保...
働く者から取るなかれ (減給額の制限)
2014-11-28
働かざる者食うべからず,という言葉がある。逆に言うと,働く者には糧を与えよ,ということになる。現在,糧とは,賃金のことだ。賃金から,税金や社会保険料は差し引かれるのは別問題だ。 なお,税と言え...
扶養も財産分与の一なり (扶養的財産分与)
2014-11-27
弱き者よ,汝の名は女なり,というは,むかし昔のこと。今は,違う。強き者よ,汝の名は女なりだ。 ここに強い女がいた。いや,賢い女性がいた。 この女性,夫と離婚することになった。しかし,夫婦の間...
無償の利用権は有償の利用権より弱し (使用借権と賃借権)
2014-11-26
使用貸借契約による使用借権という権利がある。無償で他人の物を使用する権利だ。親が息子に,岳父が娘婿に,わしの土地に家を建てて住みゃええがな,などと言って,土地を無償で貸す,などは,人情のしからし...
手が清くない者に権利なし (有責配偶者からの離婚請求)
2014-11-25
これは,クリーンハンドの原則といわれる諺である, 離婚事件でいうと,自ら不貞行為を働き,家庭を壊した者は,離婚請求を認めない,という原則になる。 ただしかし,①別居期間が長期間になり,夫婦関係...
一の矢がダメなら二の矢を射よ。二の矢がダメなら三の矢を射よ(マンションのタイル剥離)
2014-11-24
新築したばかりの高級マンションを買い、夢と希望を乗せて入居する。何年かして外壁タイルが剥離したなどということがあったら、たまんね~。しかし、実際にあるのだ。 タイル張の剥離故障は、剥離の発生時...
原則あるところ例外あり (賃金の直接払)
2014-11-23
賃金は、働く者の生活を支える貴重なお宝だ。タコ部屋へ入れられ、賃金のピンハネがまかり通った時代もあったが、今は、労働基準法という立派な法律がある。ピンハネ、相殺、親、女房への支払も厳禁だ。賃金は...
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