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最小限書いておきたい遺言条項③ 共同相続人間の担保免責条項

2017年2月15日

テーマ:相続判例法理

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

 実は、民法911条は「各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。」という規定を置いています。
これは、「共同相続人間の担保責任」を定めた規定です。
 要は、この規定は、遺言書や遺産分割で取得した遺産に、数量不足があったり、破損など瑕疵があったような場合は、それによる不利益を、当該遺産を取得した相続人だけの損失とはしないで、他の相続人にも、相続分に応じた責任を負わせようとするものです。

 実務上は、この規定の適用を求めて相続人間に紛争が生ずるケースはあまりありませんが、ただこの規定があるだけで、相続人の紛争の芽になる可能性はあります。

そこで、
遺言書
第○○条 子供たちそれぞれに本遺言書によって取得させた遺産について、数量不足や破損などの瑕疵があったとしても、他の相続人に担保責任を求めることは許さない。
と書いておきますと、この紛争は生じません。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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