コラム
弁護士と格言 庭訓,人を造る
2014年4月7日 公開 / 2014年4月9日更新
1,庭訓(ていきん)の意味
庭訓の「庭」は家庭の庭のことです。「訓」は,さとし教えることです。そこから庭訓とは,家庭での教えのことを意味します。庭訓という言葉は,孔子が,庭を走り過ぎようとする子の伯魚を呼び止め,詩経や礼記の大切さを教えた故事から生まれた言葉です。ですから,庭訓で,教えることは,人の道です。人倫です。徳義心です。
2,庭訓がある家庭
幼子は,なにも教えられず,叱られることもないと,我意ばかりが野放図に増長し,徳義心の薄い人間になってしまうでしょう。規矩で縛らないと,純真無垢な自然児は,放恣,放縦に奔ると思われるからです。
逆に,徳義心に富む,知恵ある親が,厳しく庭訓していくと,子は徳義心の高い人になっていくでしょう。ですから,庭訓は,人を造るのです。
庭訓が,時代とともに数を増やし,エッセンスを絞り出して,家憲といってもよい文章に化することもあるでしょう。
3,家庭には,庭訓があり,家憲がある。会社には社是があり,社訓がある。学校法人には,建学の理念があり,若人を教える夢や祈りがある。
高い徳義心や,高い志を,養う切っ掛けは,実に様々です。
江戸時代の侍の家庭には,儒教に裏付けられた庭訓があったようです。
現在は,それを超える,庭訓があってもよい時代であると思います。
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