コラム
弁護士の心得 「できません」は禁句。「こうすればできます」で答えるべし。
2015年1月2日 公開 / 2016年1月6日更新
交通事故で身体に重大な損傷を受けられた相談者から,メールで,「加害者に対し,自宅を改造するように請求していただけるか?」と相談がありました。
そこで,イソ弁にその回答文を起案させてみると,「そんな権利はありません」と起案しました。
そこで,ボス弁,「自宅を改造しないと自宅での生活ができない身体の怪我であれば,自宅改造費用は,損害賠償請求の対象になりますので,その権利があるかどうかを判断するには,あなたの怪我の状態がどの程度のものか,あなたが退院した後の自宅での生活にどの程度の自宅の改造が必要なのかを,具体的に知る必要があります。一度詳しくお話をお聞きしたい。」との文章に直し,相談者に返信しました。
その直後,相談者から,病院まで相談に来ていただきたいとの連絡があり,弁護士2人で病院に行き,詳しく話を聴くことで,交通事故による損害賠償請求事件として受任することになりました。
自宅の改造費用についても,ボス弁が法律顧問をしている建築会社に相談することになりました。
もし,イソ弁の書いた文章を,そのままメールで送っていたらどうなっていたでしょうか?相談者は,大いに落胆したでしょう。
【教訓】
弁護士でない一般の人の要求は,そのままでは法的権利として認められない場合もありますが,それを権利として請求できるように法律構成をするのが,弁護士の知恵です。このイソ弁は,この件を通してそれを学びました。
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