コラム
弁護士の心得 専門に特化しながら、専門外から謙虚に学ぶべし
2015年1月5日
弁護士は、特殊専門的な職業であり、資格です。
一般の人には、そこまでの量と質を兼ね備えた知識は持っていないであろうと思える、法律知識を、持つことが当然だとされる存在です。
その知識の仕入れ先は法律であり、判例であり、裁判例です。
あるいは、裁判実務の中で得られた種々の情報です。
この知識は絶対に必要です。
常に知識を増やし、学ぶ努力は欠かせません。
それなくして弁護士なし、というくらいに重要なものなのです。
しかしながら、その分、弁護士の情報源は、社会一般から見ると、偏っています。
偏っているということは、物事を見る目が、価値観が、物事の正邪に対する判断が、そして行動が、法律を基礎としたものに縛られやすいという,偏見の呪縛に陥るリスクがある,ということになります。
一般の人は、弁護士が陥るかもしれない偏見の呪縛の外にいます。弁護士とは違った価値観や思考方法で、本能的に物事の適否や正邪を嗅ぎわける嗅覚を持っています。
それは、一般の人が、それぞれ住む世界で得た特殊な知識、特殊な経験、その世界で学んだ知恵、養われた価値観が、それぞれ違う形で存在しているからです。
ですから、弁護士は、自分の分野では、自信をもって人に教えることができても、他の分野では、一般の人から謙虚に学ぶことが必要です。
専門に特化しながら、専門外から謙虚に学ぶ。
弁護士に限らず、社会に生きていくすべての人にいいうることではないかと思います
関連するコラム
- 弁護士と格言 口論乙駁は,コンセンサスを求める場にふさわしからず 2014-03-22
- 弁護士の心得 「できません」は禁句。「こうすればできます」で答えるべし。 2015-01-02
- 弁護士と格言 蟹は甲羅に似せて穴を掘る 2014-03-14
- 勝つことを知りて負くることを知らざるは,災いその身に受く 2015-01-06
- 弁護士の心得 根拠のない「思います」は禁句。根拠を示して答えるべし。 2015-01-01
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。