コラム
企業経営と危機管理 1 マニュアルに欠陥はなかったのか?
2012年11月25日 公開 / 2012年11月26日更新
平成20年8月5日、東京都下水道局の下水道雑司ヶ谷幹線の補修工事に従事していて作業員5名が、局地的な集中豪雨による鉄砲水の襲来に遭って死亡するという痛ましい事故が起こった。東京都下水道局は、事前に事故の発生防止の措置をとらなかったわけではなかった。同局では、土木工事標準仕様書で「雨天時の安全対策についての考え方」を明らかにし、この規定を受けて、同工事の元請会社は、マニュアルを作り、作業中止・現場からの退避基準として、①大雨注意報が発令されたときは、作業を中止して退避する。②それに至らないときは、水位が30cmになったときは退避する。ことが定められていた。この現場からの退避基準は、一般的には妥当なものとされていた。しかしながら、現場監督は、この日①大雨注意報が発令されていたのにそのことを知らされなかった。②また水位30cmに達するまでは退避行動を起こさなかった。その結果、ゲリラ豪雨と呼ばれた集中豪雨に見舞われ、あっという間に下水道管内の水位が30cmに達し、そして大きくこの基準を超え、作業員が激流に流されたのである。
はたして、マニュアルに欠陥はなかったのか?
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