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最近の相続相談から 相続放棄ができる条件

2018年8月13日 公開 / 2018年8月14日更新

テーマ:相続(相続放棄篇)

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

Q 突如強制執行を受け、当方を被告とする判決が公示送達で送達され確定していたことを知りました。

債務は、もともと亡父の債務で、そのような債務が存在することも相続していることも今まで知りませんでした。

住所を届け出ていなかったのは悪いと思いますが、今から相続放棄はできますか?

相続放棄をすれば、判決を無効にして強制執行を回避できますか?


A
1 相続放棄の申述をすること
相続放棄は、相続人が「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か以内に」することができます(民法915条)。この「知った」という意味は「覚知した」という意味ですので、公示送達があったから「覚知した」ことにはならないと考えます。

あなたの場合は、強制執行を受けてはじめて「自己のために相続の開始があったことを知った」ようですので、その時から、まだ3か月が経過していなければ、相続放棄はできるはずです。
あなたは、相続放棄の手続をとられたらどうですか。

2 確定判決は再審で取り消してもらえる
 無事、相続放棄が認められた後は、公示送達にかかる判決の効果を再審で争うことになりますが、民事訴訟法338条の解釈として、訴訟の被告が事実上訴訟に関与できなかった場合に広く再審事由を認めていますので、あなたにも認められる可能性はあります。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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