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コラム

即決和解による建物賃貸借契約の締結の効力

2016年3月10日

テーマ:契約書

コラムカテゴリ:法律関連

Q 
1 建物賃貸借契約を即決和解で結んだ。
裁判所が関与する即決和解により建物賃貸借契約を結んだ場合は,借地借家法は適用にならないのか?
A 
1 いいえ。建物賃貸借契約が裁判所での和解調書で結ばれたからといって,借地借家法の適用が排除されるものではありません(東京地裁平成2年7月30日判決)。

Q 
2 即決和解調書による建物賃貸借契約では,期間満了の日に建物を明け渡すという条文が入っている。これにより強制執行はできるのか?


2 できます。しかしながら,賃貸借契約は期間満了後,原則として更新しています(家主から正当な事由により更新拒絶された場合を除く。)ので,明渡しの約束部分は,賃借人に不利な約束として無効です。無効な即決和解は,争うことができます(東京地裁平成2年7月30日判決)。

Q 
争う方法は,
A 
請求異議の訴えを起こすことですが,その訴訟で判決がでる前に強制執行されるおそれがありますので,判決がでるまでの間,執行停止の申立てもしておく必要があります。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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