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債権法改正 使用貸借➁ 権利の除斥期間と時効期間

2015年6月23日

テーマ:債権法改正と契約実務

コラムカテゴリ:法律関連

(損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限)
第600条 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。
 2 前項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

【コメント】
1項は,現行法のとおり,用法違反による損害賠償請求権の行使の除斥期間を1年と定めた規定であるが,貸主の権利の保護には十分でないため,2項が新設された。これは,借主の用法違反により貸主に損害が生じた場合の貸主の損害賠償請求権が,使用貸借契約期間内に完成しないよう,使用貸借契約が終了して目的物の返還を受けた後も,1年間は,消滅時効は完成しないことにしたのである。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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