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民法改正が賃貸借契約に与える影響 1 賃貸借期間が伸長された

2017年12月12日 公開 / 2017年12月14日更新

テーマ:不動産法(賃貸借編)

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 太陽光発電 おすすめ

ガソリンスタンドの設置目的などに朗報

1 現行法は20年、改正法は50年
借地借家法の適用のない賃貸借契約の期間は、現行法の下では、期間が20年を超えてはならず、20年を超える期間の賃貸借契約を結んだ場合、期間は20年になるとされています。
しかし、改正法(施行日は未定)では、借地借家法の適用のない賃貸借契約の期間は50年を超えてはならないというように改正されました。

2 恩恵を受ける賃貸借契約
 ガソリンスタンド設置目的の土地賃貸借契約には、借地借家法の適用はないというのが判例(最高裁判決)ですので、ガソリンスタンドを建設するために土地を賃借する場合は、期間を従前よりも長く50年間までは定め得ることになります。
 ゴルフ場の賃貸借契約や太陽光発電機器を設置する目的での土地賃貸借契約を結ぶ場合も同じです。
 また、改正前にあっては、事業用定期借地権契約の設定を受けた甲土地(最長期間50年間)の近くの乙土地を、駐車場目的で賃借(最長期間20年間)する場合、甲土地の借地権は残っているのに、乙土地の賃借権はなくなってしまうという不便が生じていましたが、改正法にあっては、甲土地の借地権の存続期間(最長期間50年間)と同じ期間(最長期間50年間)について賃貸借契約を結ぶことができることになります。

参照(賃貸借契約の存続期間)

第604条 賃貸借の存続期間は、二十年( → 改正法五十年)を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、二十年( → 改正法五十年)とする。

2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から二十年( → 改正法五十年)を超えることができない。

【言葉の使い分け】
建物所有を目的とする土地賃貸借契約 → 借地権設定契約
建物所有を目的としない土地賃貸借契約 → 土地賃貸借契約

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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