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相続相談 相続人の1人が相続財産(建物)に入居している場合、他の相続人は賃料相当の金額を請求でき

2013年8月31日

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

Q  父が亡くなり、相続人は私と兄と弟の3名で、法定相続分は、それぞれ3分の1ですが、まだ遺産分割をしていないのに、兄一家は、相続財産である父の居宅に住んでいます。そこで、私は、兄に対し、家賃の3分の1に相当する金銭の支払いを請求したいのですが、できますか?

A できる場合とできない場合があります。

1,被相続人と占有相続人の間に使用貸借契約がある場合は、金銭請求はできない
 あなたのお兄さんが、被相続人であるお父さんの生前に、お父さんから当該建物に住まわせてもらっている場合、それは、無償で使用できるという使用貸借契約を結んでいることになり、あなたも弟さんも、お父さんの義務(使用貸借契約における貸主の義務)を相続してますので、「少なくとも遺産分割終了までの間は」、お兄さんに金銭の請求はできません。

 もし、占有相続人が、お母さんであるような場合は、お父さんは、お母さんが亡くなるまでは建物に住んでもよいという使用貸借契約を結んだと考えられるので、遺産分割が終了しても、遺産分割によって建物を相続した人は、お母さんに立ち退きを求めることも、金銭の請求をすることもできない、とされています。

2,使用貸借契約が認められない場合は、不当利得として金銭の支払いを請求することができる
 お兄さんが、お父さんの死後、他の相続人の同意なく建物に入居したときは、同意をしていない相続人は、家賃相当額のうち当該相続人の相続分に相当する金額までは、金銭の請求ができます(以上は、判例タイムズ1390号14頁以下参照)。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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