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相続相談 相続放棄と未支給年金の取得

2013年9月10日 公開 / 2013年9月11日更新

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き退職 手続き

Q 私は父が亡くなったとき、父には多額の債務があることを知っていたので、相続放棄をしました。ところが、最近、父に国民年金の未支給分があることと私に受給権があることを通知で知りました。父の相続を放棄した私でも、これを受給することはできますか?

A できます。
国民年金法19条は「年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。」と規定しています。これは、相続とは別の制度として、一定の遺族に対して未支給の年金を支払おうとする制度ですから、この条文の要件を満たした遺族は、相続放棄をした人でも受給できます(最高裁平成7.11.17判決)。
生命保険金や退職慰労金、遺族年金などと同じく、被相続人の未支給年金も、相続財産ではないため、法に規定された遺族に受給権があるのです。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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