コラム
これからはインハウスローヤーの時代 15 顧問弁護士側の問題
2012年9月28日 公開 / 2016年3月15日更新
A子さんとB弁護士の話に戻ります。
話題は、A子さんが指摘した顧問弁護士側の問題、つまり、①顧問弁護士の乙事務所に提供した甲社の情報が、整理された形で残されていないこと、②乙事務所では、B弁護士以外の弁護士も、A子さんと打合せをすることがあったが、弁護士間で、甲社の情報が交換されていたことは一度もなかった、という2つの問題に移りました。
これに対し、B弁護士は、A子さんがインハウスローヤーになる前の顧問業務の実情として、
①顧問会社からの相談は、社長だけでなく、役員、部課長、営業の第一線で働いている平社員からまであり、相談者が広範囲に亘ること、
②それら相談の多くは、互いに関連のないものが多いことから、担当する弁護士が複数になっても支障がない場合が多いので、そのときどきに手の空いた弁護士が担当することが多いこと
③相談は、1回の相談で済むものから、継続していくもの、また、事前に会社からの詳細な情報提供を要するものから、簡単なメモ程度の情報提供でよいもの、回答は、口頭で済むものから、事実調査や判例・文献の調査研究の上で、書面でするものまで多岐にわたること
④それらの記録は、相談の過程で作られたメールやファックスによる相談・回答の記録、判例や文献を調査して得られた資料や、面談時に担当弁護士が書いたメモ等であるが、これらはすべてファイルに綴じて保存されているが、特別整理をしていないこと、口頭でなされた相談や回答は、担当弁護士のメモ以外残されていないこと
が報告されました。
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