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相続相談 30-2 では、相続財産の売却代金は?

2012年8月10日 公開 / 2012年8月15日更新

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

Q 父が遺言書を書かないまま亡くなりました。相続人は母と兄と私の3名です。遺産分割はまだしていませんが、相続財産のうちA宅地を、県の開発公社が買いたいというので、売ることにしました。売買契約は兄に任せました。兄は開発公社と売買契約を結んで、代金を受領しましたが、これは、相続財産であるA宅地がお金になったものだから相続財産になる、だから遺産分割で取得者が決まるまで分けることはできないと言いますが、そうですか?

A いいえ。
相続財産であるA宅地を売ったときの代金は、相続財産ではありませんので、その代金が遺産分割の対象になることはありません。
その代金は、A宅地の共有持分に応じた金額に分割されて、各相続人が、直接買主に対し請求できます(最判昭54.2.22)。あなたの場合、県の開発公社にA宅地を売るとき、いったん、共有名義にしているはずですので、その持分に応じた分割された代金の請求が開発公社に対してできるのです。その代金の受領をお兄さんに委任し、お兄さんが代金全額を受領している場合は、お兄さんに対し、あなたの持分に応じた金額の請求ができます(同最判)。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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