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固定資産税評価額と固定資産税課税標準額の違い

2022年2月14日 公開 / 2022年2月17日更新

テーマ:不動産法(売買編まとめ)

コラムカテゴリ:法律関連

1.
固定資産税評価額とは、不動産の価値を評価し算定した価額のことをいい、土地の場合は、一般的に時価の70%をめどに決められています。
この評価額は各市町村が決定していて、固定資産税の納税通知書とともに送られてくる課税明細書の「価格」もしくは「評価額」という欄で確認できます。

2.
固定資産税の課税標準額とは、固定資産税額計算の基礎となる金額のことをいい、その金額に一定の税率をかけることで固定資産税の税額が決定されます。
この課税標準額は、固定資産税の納税通知書添付の課税明細書の「課税標準額」という欄で確認できます。


3.
固定資産税評価額と固定資産税課税標準額は、対象が
①農地や山林など場合は同じ金額となりますが、
②市街地の住宅用地(住居用の家屋が建っている土地)については、特例や負担調整率が設定されているため、一致しません。

特例の1 小規模住宅用地

小規模宅地用地とは、住宅用地のうち1戸あたり200㎡までの部分を指します。この場合は、固定資産税の課税標準額は評価額の6分の1となります。ですから、仮に賃貸用集合住宅の場合だと「200㎡×住戸数」がその対象となるため大幅な減税が可能になります。

特例の2 一般住宅用地
一般住宅用地とは、住宅の敷地が200㎡を超える部分のことを指し、課税標準額は評価額の3分の1になります。
ですから、仮に敷地が300㎡の場合、200㎡までを小規模宅地用地、残りの100㎡を一般住宅用地として計算することとなります。
ただし、相続した実家などが空き家になっていて、倒壊の恐れがあるなどの理由で市町村から是正勧告を受けてしまうと、住宅用地の特例の対象からはずされてしまうことがあります。

4.
負担調整措置
土地の固定資産税評価額は3年に1度の評価替えがあり、この評価替えによって評価額が急激に上昇してしまう恐れがある場合、固定資産税の上昇率を緩やかにするための措置が負担調整措置です。

5.前記特例の根拠規定
(住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例)
地方税法第349条の3の2
 専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地で政令で定めるもの(前条(第十二項を除く。)の規定の適用を受けるもの及び空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)第14条第2項の規定により所有者等(同法第3条に規定する所有者等をいう。)に対し勧告がされた同法第2条第2項に規定する特定空家等の敷地の用に供されている土地を除く。以下この条、次条第1項、第352条の2第1項及び第3項並びに第384条において「住宅用地」という。)に対して課する固定資産税の課税標準は、第349条及び前条第12項の規定にかかわらず、当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額とする。
2 住宅用地のうち、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める住宅用地に該当するもの(以下この項において「小規模住宅用地」という。)に対して課する固定資産税の課税標準は、第349条、前条第12項及び前項の規定にかかわらず、当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の6分の1の額とする。
一 住宅用地でその面積が200平方メートル以下であるもの 当該住宅用地
二 住宅用地でその面積が200平方メートルを超えるもの 当該住宅用地の面積を当該住宅用地の上に存する住居で政令で定めるものの数(以下この条及び第384条第1項において「住居の数」という。)で除して得た面積が200平方メートル以下であるものにあつては当該住宅用地、当該除して得た面積が200平方メートルを超えるものにあつては200平方メートルに当該住居の数を乗じて得た面積に相当する住宅用地
3 前項に規定する住居の数の認定その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、総務省令で定める。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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