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2020/12/27 クラウドファンディングとロータリーの奉仕

2020年12月28日

テーマ:菊池捷男のガバナー日記

コラムカテゴリ:法律関連

2020/12/27 クラウドファンディングとロータリーの奉仕

最近、クラウドファンディングという言葉を目にすることが多くなった。
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人から少額の資金を調達する」ことを指すのだそうな。
クラウドファンディングは、インターネットの普及に伴い2000年代の米国で始まり、先駆的なサービスが次々と誕生し、市場は急速に拡大してきた模様だ。
クラウドファンディングには、寄付型、融資型など複数あるが、市場規模では融資型クラウドファンディングが大半を占めているとのこと。
融資型クラウドファンディングとは、資産運用したい個人投資家多数(A)から小口の資金を集めた事業者(B)が、これを発展途上国の仲介事業社(C)に貸し、Cからエンドユーザーである企業または個人(D)に転貸融資する仕組みのクラウドファンディングとのことだ。
この融資型クラウドファンディングは、我が国で2018年1月に、テレビ東京の「ガイアの夜明け ― さらば銀行!?金融維新」で紹介されたことで、知名度を高めた模様である。
このテレビ放映では、日本のクラウドファンディング事業者(B)が、ペルーのノンバンク(C)と提携し、Cが地元の生花店を営む女性Dに10万円を貸した事例の紹介をしたうえで、CがDからその日の返済金額を回収するシーンを撮影したもようである。
なお、このテレビでの説明では、クラウドファンディング事業者(B)が個人投資家(A)から集めた資金は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、東ヨーロッパにあるガバナンスのしっかりした事業者(C)に融資され、Cからエンドユーザーになる地元の零細な中小企業や個人事業主(D)への転貸融資へ回され、彼らの成長を助け、Aは金利としてリターンを得るというものだそうな。
クラウドファンディング事業者(B)に資金を提供する投資家(A)へのリターンの平均値は6.8%という記事もどこかで見たが、この新しい資金の活用方法は、発展途上国の零細業者の経営を助け、その国の経済発展に貢献し、国を貧困から脱却させ、教育の機会を増やすなどに資すること大きいと思えるので、ロータリーの目指す奉仕に通ずるように思われる。
この制度の発展を切に祈りたい。
なお、日本の銀行も、やがては、この方式での融資事業を始めるような予感がする。
資金力のある銀行が、主体的にこのような事業に参入すると、効果は大きく、ロータリーの奉仕と同じ効果が、広範囲に広がるように思うのだが・・・

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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