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2020/08/09 見よ、あの素晴らしきロータリアンを!

2020年8月11日 公開 / 2020年8月13日更新

テーマ:菊池捷男のガバナー日記

コラムカテゴリ:法律関連

2020/08/09 見よ、あの素晴らしきロータリアンを!

昨日、鈴木一作RI(国際ロータリー)研修リーダーから恵贈された(郵送による)「Guy Gundakerから学ぶロータリー~『A Talking Knowledge of Rotary』の世界~」を読んだ。
巻を措く能ずといえるほどの書物であるかどうかは別として(内容が固いため)、蒙を啓かせられた箇所が何箇所もあった。我が考えと同じだと思った箇所もいくつかあった。
そこで、今日の日記では、そのことを書いてみたい。

1,「職業奉仕」という言葉を避けて、「職業倫理」という言葉を使っていること
鈴木さんは、「職業奉仕」のことを、「ロータリーが説く高い倫理基準とさまざまな奉仕を、自己の事業や専門職務において実践すること(職業奉仕)」と書いていた。この意味付けは、分かりやすいと思う。これは、私のいう「職業奉仕は、概念論の域を出て実践論で語るべし」という意見と通底するのではないだろうか。
また、鈴木さんは、ロータリークラブの例会は、「会員の心に、最高の職業倫理基準を植え付ける」のが目的だといわれている。ここでも「職業奉仕」という言葉を使わず「職業倫理」という言葉が使われている。この言葉の方が、一般の人だけでなくロータリアンにも分かりやすいと思われる。

2,ロータリアンは、他人の悪口や陰口を言ってはならない
鈴木さんは、「ロータリアンは、他人の悪口や陰口を言ってはならない。」と書いている。これなど、私のいう「多様性の実践論は誉誉褒褒を言うこと、毀毀貶貶は言わないこと」とも通底する。

3,見よ、あの素晴らしきロータリアンを!
鈴木さんは、人としての成長は、必ず顔に現れる、という。Guy Gundakerの言葉を引用してのことだが。
私も、公式訪問でお目にかかる各クラブの会長さんたち役員の顔を拝見していて、その気稟や気韻に感嘆していたこともあり、なるほどと納得した。

4,例会での卓話を重視
鈴木さんは、例会での卓話を重視する。クラブが年度初めに、卓話の年間計画を立てることが極めて重要だといわれる。
卓話の目的は、「会員の未知の能力を引き出し、かつ、会員同士が理解を深めあうことだ」とも言われる。
ゲストを招いてのスピーチもいいが、それ以上にクラブ会員のスピーチは有益だと喝破されている。
この点は、私も同意見だ。
である以上は、地区大会での記念講演をするゲストの人選は、極めて重要だと思う。品のない、また人の精神を高揚させるどころか卑しめるような講師は、呼ばない方がよい(私の日記「悪い講師」参照)。
なお、鈴木さんは、クラブ会長時代に、「我が半生と仕事、ロータリーを語る」というテーマで、毎回2名ずつ(1名15分間)の会員例会スピーチを年間で9回行ったとのことである。
これは、各ロータリークラブの会長さんも参考にされるとよいと思う。

5,夕刻の例会(夕例会)には、特に、プログラムの充実は欠かせない
GuyGundakerの言葉を引用して、鈴木さんは、夕刻の例会では、ともすれば懇親会になりがちだが、それはダメだといわれる。
夕刻の例会を懇親会にしようとする考えは、不埒な考えだといわれるのである。私など、耳痛い言葉である。

6,魅力のない卓話は、退会者を生む
なお、これも鈴木さんが、GuyGundakerの言葉を引用してのご意見だが、彼は、退会者が多いとか、例会欠席者が多いのは、例会に魅力や価値がない証拠だという。私も同感である。
しかし、原因に気がつけば、解決は早いと思う。例会に注力するための知恵を働かせばよいことだからである。

7,ロータリアンになれる人だけ、ロータリーへの入会を薦める
これも、鈴木さんが、GuyGundakerの言葉を引用してのご意見だ。異論はないであろう。ホルガー・クナークさんも、国際協議会でそう言われていた。

8,ロータリークラブの目的
鈴木さんは、Guy Gundakerの、ロータリーの目的は、①会員一人一人の向上、②会員の事業の向上、③業界全体の向上、それに、④会員の家庭、町、州、国ならびに社会全体の向上を実現する向上運動にほかならず、その向上の成否は、ロータリアン個人としての活動(職業奉仕)にかかっているという言葉を引用されている。
襟を正して拝読させていただいた。
そのうえで、鈴木さんは、ロータリークラブにおけるロータリアンの活動とは、例会において、会員同士が語り合うこと(討論、情報交換、意見交換)であると言われる。
ホルガー・クナークRI会長のいうTogetterと軌を一にした考えだと思われる。

9,公共的かつ慈善的奉仕
鈴木さんは、ロータリアンの活動を、段階をおって、①個人としての活動、②ロータリークラブにおける活動、③同業者団体における活動、それに④公共的かつ慈善的活動にまとめられた。

10,クラブ行事、特に例会の充実をおろそかにしたまま「社会の発展」を目指す奉仕団体に徹すれば、やがてロータリーは衰退する。
この言葉は、ロータリーが、たんなる奉仕団体ではないことを雄弁に語るGuyGundakerの言葉であるが、玩味実に大きいものがある。

以上、10点のみを、鈴木さんの御著書から取り出してみた。
この著書、すべてのロータリアン必読の要ありと思う。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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