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コラム

新年最初のお客様⑦ 持戻し免除の遺言を書くメリット・デメリット

2016年1月10日

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

メリットは,
 例えば,長男から,自分は家が貧しかったので大学へ行かせてもらえなかったのに,次男は大学院まで行かせてもらった。子にかかった学費の差額は,特別受益(贈与)となるので,遺産分割では持戻し計算すべきである,というような不満が,出てきた場合,遺産分割を紛糾させることがあるが,このような弊害を起こらなくしてくれること。
 また,
 長女以外の相続人から,長女は結婚した後よく実家へ来ては上手を言って親から何かと小遣いを貰って帰っていった,その分は生前贈与になるので,持戻しせよ,などという,立証も困難又は不可能な主張をし,そのため遺産分割協議を壊し,遺産分割の調停期日を空転させるような弊害を生じなくしてくれること
です。

デメリットは,
 一般には,遺言者が老齢となり,体力気力が衰え,子の誰かの世話になっている間,その子が遺言者の預貯金に手を付け隠匿しても,その子が,相続開始後その預貯金は親から生前贈与を受けたものだと言い張ると,通常,そうではないという立証ができない限りその言い分は通ることになるが,持戻し免除の遺言書があればさらに,その預貯金を隠匿横領した子に有利になるという悪弊が生ずること
です。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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