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相続と登記 3 遺産分割前の登記③ 相続分の無い旨の証明書による相続登記は可能か?

2012年9月2日

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

Q 相続人が3人である場合、私以外の相続人2名に、いわゆる相続分不存在証明書(別名「特別受益証明書」)に記名押印してもらい、印鑑証明書を付けてもらえば、私が単独相続したものとして相続登記ができますか?
A できます。
「相続ノート」42ページに書いてあるとおりです。
相続分不存在証明書で相続登記ができることは、昭8.11.21民甲1314民事局長回答、昭28.8.1民甲1348民事局長回答にも書かれています。作成者の印鑑証明書が必要なことは昭30.4.23民甲742民事局長回答に書かれています。現在でも、この回答により登記が受け付けられています。

ただ、登記はできますが、相続分不存在証明書の記載が事実に反するものである場合、作成者からその効力が争われたときは無効になる可能性があります。
仙台高判平4.4.20は、この相続分不存在証明書を利用した、持ち回り遺産分割協議では、①遺産分割の内容が確定し、②その内容が各相続人に提示されていない場合は無効になる、と判示していますので、事案によりますが、相続分不存在証明書による遺産分割協議が無効とされるケースもあるでしょう。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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