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鈴木敏広

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広(すずきとしひろ) / 一級建築士

まちの大工さん 鈴木工務店

コラム

相見積もりのムダ2⑦~築年数の経った家のリフォームは難しい

2021年12月7日

テーマ:見積り

コラムカテゴリ:住宅・建物

相談者の家は築60年経っています。これぐらい経っていると今の家とは作り方が変わっているため、現代の施工がそのままできないことがあります。

Aさんの相談が屋根工事なので、屋根に関して書きます。
相談者の屋根は60年前なので土葺きの瓦屋根です。土葺きは(不定形の)土で調整できるため、屋根下地は現在ほど精度を要求されません。少々いい加減でもなんとかなるのです。下地が少々いい加減と書きましたが、60年前は現代のような精度のいい木工機械がどこの工務店にもありませんから、木材の寸法も少しずつ違っていたりします。現代と事情が違いミリ単位の下地などできなかった(するには費用がかかった)のです。

ですから、瓦屋根の下地が不陸のない面になっていなくても、土葺きだと土で調節して葺くことができます。瓦の材料自体も60年前は小さな瓦製造所で作られていました。現代のように機械で管理して温度を調整していませんから、瓦の火の通り方も一様ではなく、大きさも少しずつ違っていたので、瓦葺き職人は瓦の状態を見て大きさを現場で少しずつ調整して葺いていたのです。

相見積もりの無駄2-⑦

現代は、瓦の材料の寸法はキッチリしていて土葺きでないため屋根下地は不陸がないようにキッチリ作らないといけません。

私が今の瓦を一枚ずつ突き上げて修理できないかといった理由は、現代の材料を60年前の下地にそのまま葺くことはできないと思っていたからです。

次回は、『相見積もりのムダ2⑧~築年数の経った家のリフォームは難しい2 』です。


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