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鈴木敏広

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広(すずきとしひろ)

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鈴木敏広プロのコラム一覧:建築は大工が造ってきたが

現場で作ったものは現場で直せます。職人が手でつくれば手で直せます。工場で機械がつくったものは現場で直せるのでしょうか?1で書いたように法隆寺が残っているのは、大工という職業が人の手から手に延々と伝えられたからです。現場作業を減らすことは、「直せる家」を作ることの近道にはなら...

一番心配していることは、造る人、職人の心が失われることです。柱や梁一本、一本、手を掛けて加工すれば、愛情が生まれます。西岡棟梁、ガウディ、天王寺谷棟梁が持っていた「いいものを造ろう」という心です。全てを効率のために建築主と職人の距離が遠くなっては、本当にいいものは造れない...

「あなた(私のこと)がいなくなったらどうするのですか?」これは以前に、私が依頼者に聞かれた質問です。このタイトルのコラムを書くキッカケになったことです。はじめは、何を言っているのかわかりませんでした。この方も会社が家を造ると思っているようでした。「職人がいれば家は直せます...

今の日本の社会は、実績よりも資格重視です。しかし、現場でものをつくる人にとって何よりも大事なことは経験という学問をおさめた人です。できるかできないかは、実際につくったことがある「経験」に勝る答えはないのです。そして、その経験は現場でしか身に付きません。        

世の中は家を簡単に壊さないで長期に渡って使用しようと変りました。それには、大事にしようと思うものでなくてはいけません。誰が作ったかわからないものはなく、つくった人の顔が浮かぶもの、職人とお客様の距離が近くないと愛着はわかないと思います。          愛着のわかな...

天王寺谷棟梁が1952年に建てた家は倒壊しませんでした。その理由は棟梁が現場で想定外のこと、「いいものをつくろう」と考えたからだと思います。効率のために大工から加工する機会を奪っていては、天王寺谷棟梁のような家はつくられないと思います。        

なぜか、経験よりも資格の有無を問われます。「できるか?できない?」かよりも「持っているか?もっていないか?」です。         基準を守るためには資格のほうが大事なのです。そして、経験不足で資格のある人が基準を守り、耐震等級3でつくっても、それは基準の想定内だというこ...

各々が分業して基準を守っても、常に全体を考える人がいなければ、ひとつにまとまらないのではないでしょうか。基準を守り、決められた担当をこなすことが目的ではないはずです。いいものを作ろうと思ったら、基準以外のことも考えることです。それには天王寺谷棟梁のような全体を見る人が必要...

大きな会社では、一軒の家をつくるのに営業、設計、工事、デザイナーなど元請け会社の中でも分業し、工事は下請け、孫請けと分業しています。工場で完成品をつくり、テストもできる家電製品や車ならば分業したほうが、大量に良質の規格品ができます。しかし、住宅はそうはいきません。つくるのは...

大工は肝心の構造材の加工はしないため腕は落ちていく、同時に、設計士は加工現場で勉強できない。プレカットの普及は優秀な技術者が育つ機会を減らしました。これから心配なのは、リフォームの仕事が増えていることです。リフォーム工事こそ、経験が良し悪しを決めます。新築から数時間で終わ...

パソコンで簡単に計算できる現在は、以前より、計算する人の力(能力)が問われていると思います。大事なことは「計算してOKならば終わりではなく、計算に出ない、それ以外のことをどう考えているかだと思います。阪神の地震より43年前。1952年に造られた天王寺谷棟梁の家が激震地で壊れないので...

耐震ソフトで出た数字は、数字だけみると客観的に見え、正しく見えます。しかし、その入力したデータもソフトの計算方法も人の主観です。大工が自分で加工している頃と違い、プレカットで加工されてくると誰も疑いません。また、決められた基準に沿って加工されるため基準以上にはなりません。...

2011年の原発事故で、想定外という言葉が使われました。決められた基準で作っても被害が出たのですから、仕方ないと考えている人がいると思います。同じ東北の太平洋側に、東北電力の女川原子力発電所があります。津波の被害はありませんでした。女川原発の津波の想定高さは5.7mでした。しか...

1995年1月17日、阪神大震災が起きました。被害の大きかった神戸市東灘区に引退した一人の棟梁がいました。天王寺谷(てんのうじや)棟梁は、神戸市を中心に戦前から工務店を経営していた人です。棟梁の関った工事170棟中一棟しか倒壊しませんでした。倒れた阪神高速道路の際に40棟、震度7の地域...

以前、テレビで総合医という人が出ていました。総合医とは、たとえば、「胸が痛い」と患者が言ったときに、胸の痛みが内蔵からか頭からか又は他の原因かを患者と話しながら、病気の原因を調べる人のことです。今の医学は内科、外科どころではなく、専門医に区分けされ、部分を診て全体を診なくな...

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