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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話1268《「箸」を右手で持つ理由とは》

2016年7月23日

テーマ:和食テーブルマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

突然ですが、箸を持つのは右手でしょうか?左手でしょうか?
では左手で箸を持つのをどう思いますか?

今まで左だったのを右に直した人は多いと思います。
しかし、右をあえて左に直した人は少ないでしょう。
ということは、箸はやはり右手で持つものなのでしょうか?

マナーや言葉遣いは時代と共に変わりますが、右が清浄で、左が不浄で不吉とされていた時代もあったようです。

だから食事を共にする人が左手で箸をもつと不快に思われるので、右手に持つように練習したのだと思います。
つまり自分のためではなく、他者に不快感を与えないためだということです。

但し、左手で箸を持つ人を見ても全然気にならない人も最近増えてきた感があります。感じ方は人それぞれでしょう。
例えば電車内でお化粧する人を見て、不快に思う人もいれば、微笑ましく思う人もいます。

加えて日本では昔から右と左では「左上位」です。(但し国際基準では右上位です)。また、神事におけるしめ縄も左に捲いていますね。

それでも箸使いは右手にこだわったほうがいいのでしょうか?

最近は権利・自由・自分らしさ・個性という言葉に重きが置かれているので、箸使いも右であろうと左であろうと、カラスの勝手と言われればそれまでですが・・・。しかし、右手が使えれば右手がお勧めです。

世界には色々な食法が有り、それぞれ独自の作法や文化が有りますが、和食には他でも見られないような豊かな精神文化が存在します。

稲作を中心とした農耕文化で栄えた日本人は、自然に寄り添い、自然と仲良く暮らし、神道を信仰していましたが、命を繋いでくれる穀物が豊作になるように、健康でいられるように、子孫が繁栄するようにと、なにかにつけ神事を執り行います。

その際、魚や野菜や果物をお供えするわけですが、神様にお供えする神聖な食べ物を手で直接掴むのは失礼だと考え、その橋渡しをしてくれる「箸」が生まれたとされています。

つまり箸は魂が宿る大変神聖な物なのです。
食前の「頂きます」の言葉に表現されているように、自分の命を長らえるために、食材の命を頂くわけですが、箸の役割は食材の命と自分の命の橋渡しです。

だから真摯な気持ちで食に向かい合うことが大切であり、正しく箸を持たなくてはいけないという考えがあります。

さらに前にも触れましたが「箸先5分、長くて1寸」といわれるように、箸先は口をつける部分だからなできる限り汚してはいけません。

だから「箸先を左に向け、箸置きの上に横一文字にして手前に置く」という決まりをつくりました。なぜ左かということは《マナーうんちく話1002「箸先はなぜ左に向けるの?」を参考にして下さい。

こうなると右手で持つのが一番合理的になります。
箸使いは「利き手」ではなくあえて「右手」ということになります。

箸使いのみならず、色々な儀式でも利き手ではなく右手と指定されていることは多々あります。

ちなみに所作で大切なのは粗相をしないことです。
箸先が左に向いている箸を、左手で使用すれば当然ちぐはぐになるでしょう。
だから右手で作法するわけですね。

このような理屈をキチンと理解して食事と常に真摯に向かい合い、丁寧に食事を取れば、それがすなわち身も心も美しい生き方に繋がると思うわけです。

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