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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話89≪箸と椀。どちらが先?≫

2011年6月11日 公開 / 2012年4月18日更新

テーマ:和食テーブルマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

マナーうんちく話89《箸とお椀。どちらが先?》

食事のマナー14、「和食の美しい食べ方のお勧め」

前回は、「和室での礼儀・作法」について触れましたが、続いて今回は、「和食の食べ方」のお話です。「和食」と一口にいっても、色々な種類がありますが、ここでは、結婚式や旅館などでよく出される、「会席料理」をもとにお話しを進めます。

会席料理は、一汁三菜(吸い物、刺身、焼き物、煮物)が基本です。これに、先付け、天ぷら、茶碗蒸、酢の物、和え物が加味され、最後にご飯、味噌汁、香の物が出るパターンが一般的です。サービスの仕方は各店によりまちまちですが、いずれにせよ、お酒と共に味うのがベターです。
フランス料理にせよ、日本の会席料理にせよ、料理と飲み物は、夫婦みたいなもので、酒は飲めないより、飲めた方が、ずっと楽しくなりますね。

和食は、「目で味わう」と言われますが、旬の素材を始め、料理の盛り付け、器の色合い等、どれをとっても、そこには美がちりばめられています。料理を作る側の、繊細な感性、卓越した技術が表現されているわけですね。だったらそれを食する人も、それを理解できる教養や感性が欲しいところです。器のふたを取った瞬間、そこに現れた料理を、見て、味わう感性、それを表現する豊富なボキャブラリー、品のある食べ方、その場にふさわしい会話、それらが混然一体となるのが会席料理のマナーだと思います。

何を食べても、ただ、「美しい」「美味しい」としか言葉にできないようでは寂しいですね。
日常生活、特に家庭の食卓でのあり方が大切です。そこでしっかり基本を磨き、あとは場数を踏む以外にないと思います。
堅苦しいようですが、そうすることにより、さらに奥深い味わいを楽しむことができます。

以前にも申しましたが、和食の上品な味わい方のポイントは箸使いに有ります。ここでは、箸使いをもとに、和食の上品な味わい方を解説いたします。

○箸とお椀の優雅な扱い方
右手でお椀を取り上げ、左手でお椀の底を持ちます。右手をお椀から離し、箸の真ん中を持ちます。左手の中指を浮かせ、箸をその指に掛け、右手を右に滑らせ、箸の下をくぐらせて持ちます。(2010年9月5日「マナーうんちく話2、箸使いのマナー」を参考にして下さい)ポイントはお椀を持つのが先です。この箸とお椀の扱いに、その人の品が現れます。姿勢を正し、胸の高さで、指を揃えて持てばより優雅になります。
今、このような扱いが出来る人は、私が見た限りでは非常に少ないようです。男性も女性も、良い意味で目立ちます。ぜひ、ご家庭でも練習してみて下さい。

余談事ですが、日本の食事はもともと神饌(神様に食べ物をお供えして、其のお下がりを食べることにより、より神様に近づくという意味です)から始まっているので、礼儀・作法と美意識が強く、箸や器の扱いには大変敏感なわけです。
日本の技術は世界が認めるところですが、其の元は、日本人の巧みな箸使いに有るようですね。また、子どもの脳の発達にも大変いいようです。

○割りばしの品の良い扱い方
日本の箸には格式があります。「祝い箸」が1番格式の高い箸です。
2番目に高いのが「割箸」です。割り箸は使い捨てですので、「これはあなた専用の箸ですよ」と言う意味から、もてなし用に使われます。
正しい割りばしの使い方は、「両手で水平に持ち、上下に割ります」。左右には割りません。
ぜひ実行してみて下さい。この時も姿勢を正して下さいね。これも良い意味で目立ちます。
ちなみに食事中は、割箸の箸袋は御膳の左下に置きます。

○箸は1寸先が命
和食は、礼儀・作法と共に強い美意識がつきものです。つまり美しく食べることが求められるわけですね。「寄せ橋」「ねぶり箸」「刺し箸」「涙箸」「付き箸」「渡し箸」等の、箸のタブー(禁止行為)は70以上あります。いかに美しさが要求されているかお分かりだと思います。箸や器の扱い方もしかりですが、箸を汚さないように食べることも大切です。箸を汚しても良い部分は、箸先1寸(約3㎝)とされています。また使用後は、汚れた部分は隠すので、箸袋にきちんと納めます。


このコラムでも「箸の文化」に度々触れてきました。日本を代表する文化だからです。
その大切な文化が、年々影を潜めているような気がします。由々しきことだと思います。
国際化の進展に伴い、諸外国から多様な文化を吸収することは素晴らしいことだと思います。でも、その前に、日本が世界に誇る文化や礼儀・作法を、世界に向けて発信するべきだと思います。
大人が子供に、「正しい箸の使い方」を教えられなくてはいけませんね。
日本の明るい未来のために・・・。

この記事を書いたプロ

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