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鈴木敏広

長く愛される住まい作りにこだわる一級建築士

鈴木敏広(すずきとしひろ) / 一級建築士

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コラム

木造住宅の寿命について⑪~余談 データの取り方が分からないと比較しても無駄

2018年2月13日

テーマ:住宅の寿命

コラムカテゴリ:住宅・建物

正月に読んでいた池上彰さんの本に書いてあった話です。

木造住宅の寿命⑪

2009年に世界中で流行った「新型インフルエンザ」の患者数が一番多いのは日本だった。その理由は国民皆保険制度のため、日本人は熱が出ると医者にかかる、つまり、新型インフルエンザの患者としてカウントされるからと書いてありました。他の国では国民皆保険制度でないため、少々熱があっても病院などに行かない、行かないから患者としてカウントされないのです。つまり、「病院にかかったインフルエンザの患者の数」という言い方が正しいのです。
国によって状況が違うから、ただ患者数を計算しても、それは本当の数ではないことになります。

②にイギリス、アメリカとの比較の事を書きましたが、このデータも同じではないでしょうか?住宅の寿命も日本と同じ条件でないのなら比較しても仕方がないのです。

②の※の後に書きましたが、30年未満の寿命のデータって、いつからいつまでの事なのでしょうか?現在建っている家全部でしょうか?戦後建てられた家全部でしょうか?調査した年から何年前までなのか全くわかりません。

イギリスのデータは戦争前なのはわかります。なぜなら、75年が平均ですから2000年頃の調査として75年前は1925年になり、第二次大戦は始まってもいないからです。アメリカも平均が55年ですから、戦争前が入っています。

そう考えると、現在建っている家全部でしょうか?日本は、戦争中に空襲でたくさんの町が焼き払われました。イギリスやアメリカはほとんど空襲に遭っていませんから長いのは当たり前になります。

比較するのなら、どのような条件でデータを取ったのか明確にする必要があると思います。いずれにせよ地震が多い日本の家の寿命が、平均で他の国より長くなることはないと思っています。少なくとも③に書いたように災害で使えなくなった家は排除すべきでしょう。

次回は、『足場を架けたら 』です。


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