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コラム
マナーうんちく話1187《心の種蒔きと美しい所作》
2016年3月19日
彼岸入りしたせいか、急に昼が長くなった気がしますが、如何でしょうか?
昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、百姓仕事に携わっている者にとっては、この日は大切な節目になります。
特に春の彼岸は、この時期から次第に暖かくなり、過ごしやすくなるので色々な野菜の種を蒔くわけです。
野菜作りと太陽の運行、つまり日照時間は切っても切れない関係がありますが、彼岸はその大きな節目になるわけですね。
さらに心情的にも大きく異なってきます。
暗くて寒い冬から、明るく暖かい日に移行するわけですから、兎に角前向きになれます。
「さあ、頑張るぞ!」ですね・・・。
ところで日本は四季が明確に分かれているせいか、季節の節目に関する伝統行事が非常に沢山あります。
恐らく世界屈指の数でしょう。
その典型的なものがお彼岸、つまり春分と秋分ではないでしょうか。
そしてこれには、長い歴史や文化を背景にした様々な意味が存在します。
前に触れましたように、昔はご先祖様が住んでいる浄土は真西に存在すると考えられており、太陽が真西に沈むお彼岸が、浄土に一番近くなるのでお墓参りするわけです。
伝統行事をこのように捉えてみると、心が豊かになります。
まして日本は神様(神道)仏様(仏教)の国ですから、なおさらです。
お墓に行って墓前に手を合わせるのは、ある意味では、ご先祖様に感謝するとともに、さらに気持ちを新たにして、これからの人生を真摯に生きて行こうとする美しい「所作」に他なりません。
人生は全て順風満帆とはいきません。
日頃からストレスがたまっている人も多いでしょう。
不平や不満もあってしかりです。
良いことより、悪いことが多い人の方が多いかもしれません。
このような事をきれいさっぱりぬぐい落して、身も心も清めて、新たな気分で出直したいと思うことが多いのが人の常でしょう。
そのきっかけになるのが、お彼岸だと思います。
「心がリセットできる日」と捉えるのもいいかもしれませんね。
そして幸せの芽を芽吹かすために、心の種まきをするのもお勧めです。
色々と思うことがあっても、蒔かぬ種は生えません。
季節の節目も人生の節目も、節目は全ての物を生き生きとさせてくれます。
だから節目を上手に、そして大切にする生き方は素敵です。
新年度は普通4月からですが、お彼岸を境に何かを始めるのもお勧めです。
昼の長さがこの日から長くなるわけですから・・・。
草木の芽吹きと太陽のエネルギーを体いっぱいに感じながら、新たな試みを是非どうぞ・・・。
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