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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》

2014年9月7日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

月の満ち引きをもとにして日付を決めていた旧暦8月15日の満月は「仲秋の名月」と言われますが、平成26年は9月8日になります。

旧暦では7月が「初秋」、8月が「仲秋」、9月が「晩秋」になるので、8月の名月が仲秋の名月になるわけですね。

別名「芋名月」とも呼ばれますが、これは丁度里芋の収穫期に当たるからだと言われています。
 
里芋は稲作よりは古く、米の前は里芋が主食であったあったと考えられていますがその名残でしょうか、いまでも里芋を煮て名月を愛で、豊作に感謝する「芋煮会」の行事がありますね。

また、里芋はお世辞にも美しいとは言えない芋ですが、親芋の周囲に子芋と言われる小さな芋が沢山繋がっているので、子孫繁栄の大変縁起の良い食べ物とされています。

ところで、文明が進んだ今でも正月などに「日の出」を見る風習は残っていますが、「月の出」を待つ習慣は殆どなくなりましたね。

しかし、万葉の時代から「日」を詠んだ歌は殆どないそうですが、「月」を詠んだ歌は沢山あります。

一年で一番美しいと言われる「仲秋の名月」等は特にそうですね。

『月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月』(詠み人しらず)

「一年中、お月様を愛でる月は有るけど、名月を愛でる月と言えば、今月のこのお月様ですね」と言う意味でしょうか、仲秋の名月を見事に表現した句だと思います。

昔は、小望月(こもちづき)、十五夜、十六夜(いざよい)、立待月、居待月、寝待ち月、更待月(ふけまちづき)等と、名月前後の一夜、一夜のお月様に名前を付けるほど、お月様は日本人に親しまれていたのですね。

小望月は「待つべき人を待つ宵」が転じて、十五夜の前の月のことです。
さらに、十五夜に比べて十六夜の月は出るのが約30分遅くなるので、お月様が「出ようか、出るまいか」とさ迷う(いざよう)から、十六夜のお月様には「いざよいの月」と名前を付けました。

この後は順次、お月様の出を「立って待つ」「居て待つ」「寝て待つ」など、お月様を待つ人の姿勢を表現しています。

この他にも素敵な名前があります。
統計的には十五夜は曇りの日が多いようですが、仲秋の名月が雲で見えない状態を「無月(むげつ)」、雨に降られれば「雨月(うげつ)」と呼びます。

「仲秋名月」とか「雨名月」とか言われますが、見えないものを思うことも、また風流なりでしょうか、日本人ならではの大変美しい季語です。

そして、お月さまを神聖な神として崇(あが)め、五穀豊穣を祝い、感謝して、秋の七草や酒や団子などをお供えする「お月見」というお祭りになったのではないでしょうか。

お月見は、マナーの根源を成す「感謝」の気持ちの表現なのですね。
ちなみに、芒(すすき)をお供えするのは、芒はイネ科の植物ですから、芒を米に見立てたと言う説があります。

今が一年で最も美しく見えるお月様です。
今宵は、日頃の煩わしさから解放されて、ゆったりと夜空を見上げ、大切な人や友人、故郷に思いをはせるのもお勧めです。

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