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安部元隆プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

朝起きると腰が痛い方へ|こわばりは何分で引く?自分で確かめる3つのチェックと朝の3ステップ

安部元隆

安部元隆

テーマ:腰痛・背中の痛み

こんにちは、GENRYUです(^^)

この記事の要点
・朝起きたときに腰がこわばる、起き上がるときに腰が伸びない、という方に向けた記事です。
・朝の腰のつらさには、「夜のあいだに椎間板が水分を含んでふくらむ」という体の変化と、「睡眠と痛みが脳でつながっている」という脳の働きの、両方が関わっていると考えられています。
・「こわばりが何分で引くか」「寝る環境を一つ変えるとどうなるか」「起きてすぐの前かがみを控えるとどうなるか」の3つを自分で確かめます。明日の朝、布団の中で3分からできます。
・脳と腰をめざめさせる「朝の3ステップ」エクササイズも紹介します。


「朝いちばんが、一日でいちばんつらい」
「起き上がるときに、腰がまっすぐ伸びない」
「顔を洗おうと前かがみになると、腰がピキッとする」

そんなお悩みはありませんか?

前回は、長く座ると腰がつらい方に向けて、デスクワークと車の運転の場面で確かめる方法をお伝えしました。

今回は、朝起きたときの腰痛に絞って、寝起きの腰の状態を自分で確かめる方法と、根拠のあるセルフケアを紹介します。

これまでのコラムをまだお読みでない方は、こちらからどうぞ。
→「前かがみで痛い?反らすと痛い?|腰痛を自分で確かめる3つのチェック」を読む
→前回「座りっぱなしで腰がつらい方へ」を読む

始める前に:こんなときは医療機関へ


次のような場合は、セルフチェックより先に医療機関を受診してください。

  • 尿が出にくい・漏れる、便の感覚がおかしい、お尻や股のまわりがしびれる(その日のうちに、夜間・休日でも受診を)
  • 両脚のしびれ、脚の力が急に落ちてきた
  • 転倒や事故のあとから痛い
  • 発熱がある、原因のわからない体重減少がある、がんの治療を受けたことがある
  • 安静にしていても、夜も、強い痛みが続く


→「馬尾症候群」ってなに?を読む

朝のこわばりで、特に知っておいてほしいこと


朝のこわばりや夜の痛みが続く腰痛の中には、背骨や骨盤に炎症が起こる病気(体軸性脊椎関節炎など)が隠れていることがあります。

専門家が作った「炎症性の腰痛」の目安では、次の5つのうち4つ以上が当てはまるかが一つの手がかりとされています(Sieper 2009)。

  • 40歳未満で始まった
  • いつの間にか、少しずつ始まった
  • 体を動かすと楽になる
  • 休んでも良くならない
  • 夜に痛む(起き上がると楽になる)


これは医師が判断するための目安で、自分で病気を決めるためのものではありません。

3か月以上続く腰痛で、これらの多くに当てはまる方は、整形外科やリウマチ科で一度相談してください。

当てはまるものがなければ、ここから先に進みましょう。

今回も4つのルールで


  • 「感じたこと」と「原因」を分けて書く
  • 条件も一緒に書く(何時に寝て何時に起きたか、どんな姿勢で目が覚めたか)
  • 変えるなら一つだけ
  • 結果は「楽になった・同じ・悪くなった・分からない」のどれかで残す


朝の腰痛は、前の晩の過ごし方や睡眠にも左右されます。条件を書いておくことが、いつも以上に大切です。

まずは明日の朝、3分だけ:布団の中から
全部のチェックをする時間がない方は、これだけでも大丈夫です。

1. 目が覚めたら、起き上がる前に、腰のこわばりを0〜10でメモします(スマホのメモでも、枕元の紙でも)
2. 仰向けで両膝を立て、ゆっくり左右に5往復、膝を倒します(痛みのない小さな範囲で)
3. 横向きになってから、手で布団を押して起き上がり、立ったところで、もう一度0〜10でメモします

→ 数字が変わっても、変わらなくても、それが明日の大切な記録です。


なぜ、朝に腰がつらいの?


まずは、体の側で分かっていることを、「関連」と「原因」に分けて整理してみます。

夜のあいだに、椎間板は水分を含んでふくらむ


背骨の骨と骨のあいだには、クッションの役目をする「椎間板」があります。

日中、体重がかかっているあいだに椎間板の水分は少し減り、横になって休んでいるあいだに、また水分を含んでふくらみます。

腰の研究者たちの総説では、この一日の変化によって、朝は椎間板がふくらみ、曲げる動きに対して硬くなるなど、時間帯によって背骨にかかる負担のかかり方が変わることがまとめられています(Adams 1990)。

ただし、この総説の多くは、体から取り出した背骨を使った実験にもとづくもので、「朝の腰痛の原因はこれ」と決まったわけではありません。

起きてすぐの前かがみを控えると、腰痛が減った


この考え方をもとに、実際にためした研究があります。

慢性の腰痛がある85名を対象にした研究では、朝起きてすぐの時間帯に、腰を深く曲げる動きを控える方法を教わったグループで、痛みの強さが減りました。効果のない運動を教わったグループでは、はっきりした変化はありませんでした(Snook 1998)。

あとから同じ方法を教わった比較のグループでも、同じように痛みが減りました。

ただし、これは85名の小規模な研究で、すべての方に同じ効果があるとは限りません。

マットレスは「硬いほど良い」とは限らない


「腰痛には硬い布団」とよく言われますよね。

ところが、寝ているときや起き上がるときに腰が痛む慢性腰痛の方313名を対象にした研究では、硬いマットレスより、中くらいの硬さのマットレスを使ったグループの方が、90日後の起き上がるときの痛みや、生活の困りごとが改善していました(Kovacs 2003)。

ただし、これは海外の研究で、マットレスの硬さはヨーロッパの基準で測られています。日本の布団や敷き布団に、そのまま当てはめられるわけではありません。

脳から見た、朝の腰痛


朝の腰痛を考えるうえで、もう一つ大切なのが「睡眠」と「脳」の関係です。

1. 寝不足の翌日は、脳が痛みを強く感じやすい


睡眠と痛みの関係を調べた研究では、一晩眠らなかったあと、脳の中で体の感覚を受け取る場所(体性感覚野)の痛みへの反応が強くなり、痛みを感じ始める境目が下がっていました(Krause 2019)。

さらに、普段の生活の中でも、ある晩の睡眠の質が少し良い・悪いだけで、翌日の痛みが軽くなったり、強くなったりしていました。

また、睡眠と痛みについての研究のまとめでは、睡眠の問題が、のちの痛みの悪化を予測する傾向が、その逆よりもはっきりしていると報告されています(Finan 2013)。

2. 腰痛でも、睡眠は回復と関係している


腰痛のある方1万9千名あまりを含む14の研究をまとめた報告では、睡眠が良くない方ほど、腰痛が良くなりにくい傾向が見られました(Silva 2024)。

ただし、これは「関連」です。研究の質は「低い〜非常に低い」と評価されていて、「睡眠を良くすれば腰痛が治る」とまでは言えません。

3. 朝は、脳の「守って」のサインが出やすい時間かもしれない


以前のコラムでお伝えしたように、痛みは「体が壊れている量」をそのまま表すものではなく、脳が「この部分を守る必要がある」と判断したときに出すサインと考えられています(Moseley & Butler 2015)。

ここからは、まだ研究で確かめられた結論ではなく、考え方の一つです。

朝は、椎間板の状態が変わっているうえに、寝ているあいだ動かなかった腰から、脳に届く情報も少なくなっています。そこに寝不足や「朝はいつも痛い」という予想が重なると、脳は「守って」のサインを出しやすくなるのかもしれません。

だからこそ、起きてすぐに大きく動くのではなく、布団の中で、小さく、ゆっくり、腰からの情報を脳に届けてから起き上がることに意味がある、と考えられます。

チェック1 こわばりが「何分で引くか」を測る


まずは、朝のこわばりの様子を記録します。

やり方


1. 目が覚めたら、起き上がる前に、腰のこわばりを0〜10でメモします
2. 起き上がったときの時刻をメモします
3. 「こわばりが半分くらいになった」と感じた時刻をメモします
4. そのあいだに何をしていたか(歩いた、座っていた、横になっていた)も書きます

見るポイント


  • こわばりが引くまで、5分以内か、15分ほどか、30分以上か
  • 動いていると楽になるか、休んでいると楽になるか
  • 夜中に痛みで目が覚めるか
  • 前の晩の睡眠(何時間眠れたか、よく眠れたか)


記入の例


6時半起床。起きる前のこわばり6/10。台所で動いていると、6時45分ごろには半分くらいに。前の晩は11時半に寝た。途中で1回目が覚めた。


結果の読み方


15分ほどで引いていく
→ 朝の体の変化や、寝ているあいだ動かなかったことが関わっている可能性があります。チェック2・3に進みましょう。

30分以上続き、動くと楽になって、休んでも良くならない
→ 冒頭の「朝のこわばりで、特に知っておいてほしいこと」をもう一度確認し、当てはまる方は医療機関で相談してください。

日によって大きく違う
→ 前の晩の睡眠や、前日の活動と並べて見てみましょう。

チェック2 寝る環境を一つだけ変えて比べる


次に、寝る環境を一つだけ変えて、翌朝のこわばりを比べます。

ためす候補(どれか一つ)


候補A:仰向けで寝る方は、膝の下にクッションや丸めたバスタオルを入れる
腰が反りすぎるのを防ぎます。

候補B:横向きで寝る方は、膝のあいだにクッションをはさむ
上の脚が前に落ちて、骨盤や腰がねじれるのを防ぎます。

候補C:敷き布団やマットレスの硬さを変える
硬すぎる場合は薄いマットを重ねる、やわらかすぎて体が沈む場合は硬めのものにする、など。

寝る姿勢と腰痛の関係を調べた研究のまとめでは、仰向けや、体がねじれない横向きの姿勢で腰痛が少なく、うつ伏せでは腰痛が多い傾向が報告されています。ただし、観察した研究をまとめたもので、6つの研究しかありません(Saini 2025)。

比べ方


  • いつもの寝方で3日、変えた寝方で3日、こわばりの0〜10と、引くまでの時間を比べる
  • 寝る時刻や前日の活動など、ほかの条件はできるだけそろえる


チェック3 起きてすぐの前かがみを、1週間だけ控えてみる


最後に、Snook 1998の研究の考え方を、自分でためしてみます。

やり方


起きてから1時間ほど、腰を深く曲げる動きを控えます。

  • 顔を洗うときは、膝を軽く曲げ、片手を洗面台について、腰ではなく股関節から体を倒す
  • 靴下は、座って足を反対の膝にのせてはく
  • 床の物は、膝を曲げてしゃがんで拾う
  • 布団をたたむのは、少し時間がたってからにする


比べ方


控える前の1週間と、控えた1週間で、

  • 朝のこわばり(0〜10)
  • 日中の腰の痛み(0〜10)
  • 「顔を洗うときにピキッとした」回数


を比べてみてください。

結果の読み方


朝のつらさや、ピキッとする回数が減った
→ 朝の前かがみが関わっている可能性があります。しばらく続けてみましょう。

変わらない
→ 前かがみ以外の条件(睡眠、寝る姿勢)の方が関わっているのかもしれません。チェック1・2の記録と並べて見てみましょう。

脳と腰をめざめさせる「朝の3ステップ」エクササイズ


チェックで朝の様子が見えてきたら、毎朝の習慣として、次の3ステップを行ってみましょう。

脳に腰からの情報を小さく、ゆっくり届けてから、大きな動きに移っていくのがポイントです。

こんな方に:朝のこわばりが強い方、起き上がるときや顔を洗うときにつらい方

始める前に:今の状態をメモする


  • 起き上がる前の、腰のこわばり(0〜10)
  • 前の晩の睡眠(よく眠れた・ふつう・あまり眠れなかった)


ステップ1 布団の中で、腰に注意を向ける(1分)


1. 仰向けのまま、ゆっくり3回呼吸します
2. 背中や腰が、布団にどう触れているかを感じます(左右で違うか、腰の下にすき間があるか)
3. 両膝を立て、3秒かけて右へ少し倒し、3秒かけて戻します。左へも同じように
4. これを5往復。痛みのない、小さな範囲で行います

ポイント:以前のコラムでお伝えした「背中の地図」を、朝いちばんに確かめるイメージです。いきなり起き上がる前に、脳に「腰はこう動いている」という情報を届けます。

ステップ2 横向きから、手で押して起き上がる(30秒)


1. 膝を立てたまま、体を丸めすぎないように、横向きになります
2. 両脚を布団やベッドの端から下ろしながら、上の手と下のひじで布団を押して、上体を起こします
3. 座ったところで、5秒ほど、足の裏が床に触れている感じを確かめます

ポイント:仰向けから腹筋を使って一気に起き上がると、腰を深く曲げることになります。横向きから手で押して起きることで、朝の前かがみを小さくできます。

ステップ3 立って、ゆっくり反らす・股関節から倒す(1〜2分)


1. 立ち上がり、腰に手を当てて、3秒かけて、ゆっくり少しだけ反らし、3秒かけて戻します。これを5回
2. 次に、洗面台に片手をつき、膝を軽く曲げて、股関節から上体を少し前に倒し、ゆっくり戻します。これを5回
3. 2の動きで、腰ではなく、太ももの付け根が折れ曲がる感じを確かめます

反らすとつらい方は、1は行わず、2だけで大丈夫です。

ポイント:2は、顔を洗うときの「予行演習」です。脳に「この倒し方なら大丈夫」という経験を、洗顔の前に一度届けておきます。

回数とタイミングの目安


  • 毎朝、起きてすぐに1回(合わせて3〜4分)
  • まずはステップ1と2を1週間。慣れたらステップ3を加える
  • 目覚まし時計を止めたら、そのままステップ1、と流れを決めておくと続けやすくなります
  • 回数は目安です。痛みが強くならない範囲で調整してください


よくある間違い


  • こわばりをほぐそうとして、起きてすぐに深い前屈のストレッチをする
  • 膝を倒す動きを、反動をつけて大きく行う
  • 起き上がるときに、息を止めて一気に起きる
  • 「朝は痛いもの」と決めて、記録をつけずにがまんする


前後で比べる


立ち上がったところで、腰のこわばりをもう一度0〜10でメモします。

さらに、チェック1の「こわばりが引くまでの時間」が変わったかも見てみましょう。

その日の朝に変わった・変わらない、どちらも大切な記録です。1〜2週間続けて、傾向を見てみてください。

ご家族にも朝の腰のつらさがある方がいれば、「起きる前に膝を5回倒してみて」と声をかけて、一緒にためしてみるのもおすすめです。

研究で分かっていること


  • 朝起きてすぐの腰の深い曲げを控える方法で、慢性腰痛の痛みが減った(Snook 1998、85名)
  • 以前のコラムでお伝えしたように、慢性腰痛の方では背中の触覚の鋭さが低下していることが、研究のまとめで示されている(Catley 2014)


この3ステップの組み合わせそのものを確かめた研究はありません。研究で分かっている考え方を、家でできる形にした例として行ってみてください。

注意してほしいこと
脚のしびれや痛みが足先の方へ広がる、腰の痛みがはっきり強くなる場合は、その場でやめてください。起き上がるときにめまいがする方は、座った姿勢でしばらく休んでから立ち上がってください。

睡眠のために、今夜からできること


研究では、睡眠と痛みは関係していることが分かっていますが、「この方法で眠れば腰痛が良くなる」と確かめられた方法は、まだ多くありません。

そこでまずは、睡眠を記録することから始めてみましょう。

  • 寝た時刻・起きた時刻
  • 夜中に目が覚めた回数
  • 朝の「よく眠れた感じ」(0〜10)


これを朝のこわばりと並べると、「よく眠れなかった翌朝は、こわばりが強い」など、自分なりの傾向が見えてくることがあります。

眠れない日が続く、いびきが大きい・呼吸が止まると言われた、という方は、腰痛とは別に、医療機関で相談してください。

1週間の記録から見えること


例えば、こんな記録が集まったとします。

月:起きる前7/10。こわばりが半分になるまで20分。睡眠5時間。
水:膝の下にクッション。起きる前5/10。15分。睡眠6時間半。
金:クッションあり。起きる前6/10。20分。前日に庭の草取り。
日:クッションあり+朝の3ステップ。起きる前4/10。10分。睡眠7時間。


ここから見えてくるのは、

  • 膝の下のクッションで、起きる前のこわばりが少し下がっている(3回中2回)
  • 前日に腰を曲げる作業が多いと、翌朝のこわばりが強い(一度だけの記録)
  • よく眠れた日は、こわばりが引くのが早い(傾向として見ていく)


ということです。

この場合、「クッションは続け、次の1週間は朝の3ステップを毎日加えて確かめる」という次の一歩が考えられます。

結果をどう受け止める?


楽になった
何が楽になったか(起きる前のこわばり・引くまでの時間・顔を洗うとき・不安)を分けて書きます。

同じ
選んだ条件は、今の朝のつらさにはあまり関係がなかったのかもしれません。別の一つに変えてみましょう。

悪くなった
その条件はやめて、元に戻します。

分からない
朝は忙しく、記録を忘れがちです。枕元にメモとペンを置いて、起きる前の0〜10だけでも書いてみましょう。

記録のテンプレート


日付:
寝た時刻・起きた時刻・夜中に目が覚めた回数:
よく眠れた感じ(0〜10):
起き上がる前の腰のこわばり(0〜10):
こわばりが半分になるまでの時間:
そのあいだにしていたこと:
変えた条件(一つ):
朝の3ステップの前→後(0〜10):
前日に腰を使った作業:
結果(楽・同じ・悪化・分からない):


記録を持って相談するときのコツ


次の3つを一枚にまとめておくと、相談のときにとても役立ちます。

  • 朝のこわばりの強さと、引くまでの時間(動くと楽になるか、休むと楽になるか)
  • 夜中に痛みで目が覚めるか
  • 睡眠の記録


特に、「こわばりが30分以上続くか」「動くと楽になるか」は、医師が判断するうえで大切な情報になります。

よくある質問


Q.腰痛には、硬い布団がいいのですか?


先ほどの研究では、硬いマットレスより、中くらいの硬さの方が、起き上がるときの痛みが改善していました(Kovacs 2003)。

ただし、合う硬さは体格や寝る姿勢によっても変わります。チェック2の方法で、一つずつ比べてみてください。

Q.朝、こわばっているときにストレッチをしてもいいですか?


起きてすぐの、腰を深く曲げるストレッチ(前屈など)は控えめにしましょう。

朝の3ステップのように、小さく、ゆっくりした動きから始め、深く曲げる動きは、起きてから少し時間がたってからにするのがおすすめです。

Q.どんな寝る姿勢がいいですか?


研究のまとめでは、仰向けや、体がねじれない横向きで腰痛が少ない傾向がありましたが、観察した研究が中心です(Saini 2025)。

「この姿勢が正解」と決めるより、チェック2で、膝の下や膝のあいだのクッションを一つずつためして、翌朝の0〜10で比べてみてください。

Q.朝だけ痛くて、日中は平気です。病気でしょうか?


朝だけつらく、動き出すと楽になる腰痛は、珍しくありません。

ただし、40歳未満で始まった、3か月以上続く、夜にも痛む、休んでも良くならない、という場合は、冒頭の目安を確認し、医療機関で相談してください。

「朝のつらさが、記録をつけても変わらない」「どの条件を変えればいいか分からない」という方もいらっしゃると思います。

受診の目安に当てはまる方は、まず整形外科などの医療機関を受診してください。

当てはまらず、困っている場面や体の動きを整理したい方は、大分駅から歩いて15分ほどの当院(大分市金池町)でも、起き上がり方や朝の動き方を一緒に確かめながら、どこから始めるかを整理しています。
1〜2週間ためしても朝のつらさに変化が分からない方は、一度ご相談ください。朝の記録や睡眠の記録があれば、ぜひお持ちください。

→ご相談・ご予約はこちら

まとめ


今回は、朝起きたときの腰痛に向けて、寝起きの腰の状態を自分で確かめる方法と、根拠のあるセルフケアを紹介しました。

  • 朝は、夜のあいだに椎間板が水分を含んでふくらみ、曲げる動きに対して硬くなる
  • 睡眠と痛みは脳でつながっていて、寝不足の翌日は痛みを強く感じやすい
  • 40歳未満で始まり、動くと楽で休んでも良くならない腰痛は、一度医療機関で相談を
  • チェック1:こわばりが何分で引くかを測る
  • チェック2:寝る環境を一つだけ変えて比べる
  • チェック3:起きてすぐの前かがみを、1週間だけ控えてみる
  • 脳と腰をめざめさせる「朝の3ステップ」:布団の中で感じる → 横向きから起きる → 立って股関節から倒す


次回予告


次回は、「ぎっくり腰の強い痛みは、脳の『急ブレーキ』|怖さをほどいて動きを取り戻す3日間」をお届けする予定です。

急に腰が痛くなって動けない、そんなときに「安静にした方がいいの?動いた方がいいの?」と迷う方に向けて、受診の目安と、最初の数日の過ごし方を一緒に見ていきます。

ぜひ、次回のコラムも楽しみにしておいてくださいね(๑•̀ㅂ•́)و✧

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それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

参考文献


炎症性の腰痛の目安
Sieper J, et al. New criteria for inflammatory back pain in patients with chronic back pain: a real patient exercise by experts from the Assessment of SpondyloArthritis international Society (ASAS). Ann Rheum Dis. 2009;68(6):784-788. PMID: 19147614

一日の中での背骨の変化と、朝の前かがみ
Adams MA, Dolan P, Hutton WC, Porter RW. Diurnal changes in spinal mechanics and their clinical significance. J Bone Joint Surg Br. 1990;72(2):266-270. PMID: 2138156
Snook SH, et al. The reduction of chronic nonspecific low back pain through the control of early morning lumbar flexion. A randomized controlled trial. Spine. 1998;23(23):2601-2607. PMID: 9854759

マットレスと寝る姿勢
Kovacs FM, et al. Effect of firmness of mattress on chronic non-specific low-back pain: randomised, double-blind, controlled, multicentre trial. Lancet. 2003;362(9396):1599-1604. PMID: 14630439
Saini Y, Rai A, Sen S. Relationship Between Sleep Posture and Low Back Pain: A Systematic Review. Musculoskeletal Care. 2025;23(2):e70114. PMID: 40338112

睡眠と痛み・脳
Krause AJ, et al. The Pain of Sleep Loss: A Brain Characterization in Humans. J Neurosci. 2019;39(12):2291-2300. PMID: 30692228
Finan PH, Goodin BR, Smith MT. The association of sleep and pain: an update and a path forward. J Pain. 2013;14(12):1539-1552. PMID: 24290442
Silva S, et al. Sleep as a prognostic factor in low back pain: a systematic review of prospective cohort studies and secondary analyses of randomized controlled trials. Sleep. 2024;47(5):zsae023. PMID: 38300526

痛みと脳
Moseley GL, Butler DS. Fifteen Years of Explaining Pain: The Past, Present, and Future. J Pain. 2015;16(9):807-813. PMID: 26051220
Catley MJ, et al. Is tactile acuity altered in people with chronic pain? a systematic review and meta-analysis. J Pain. 2014;15(10):985-1000. PMID: 24983492

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