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【第1部:概論編】痛み改善に必須!「6段階フレームワーク」あなたはこの順番通り治療してますか?

安部元隆

安部元隆

テーマ:脳と痛みの科学



こんにちは、GENRYUです(^^)
腰痛、ひざ痛、股関節痛、首痛など様々な痛みや
首、背中、肩のコリが辛すぎて悩んでいらっしゃる方が
とても多いと思います。
この症状を改善するためにあなたは、
「整形外科」を受診し、痛み止め、シップ、注射などで
対応されていると思います。
また、リハビリでは「筋力トレーニング」「有酸素運動」「ストレッチ・柔軟性改善」と
電気や温熱療法を行っていると思います。
これらの対処法は間違っているとは言いませんが、
痛みや不調を改善するために
臨床神経科学の実践から導き出された答えは、
「キチンとした順序を踏まないといけない」ということです。
それは大きく6つに分けられます。

①まず呼吸を正す
②次に正しく見る
③そしてバランスを取る
④動き方を学ぶ
⑤それらを統合する
⑥最後に認知と運動を融合させる

私は臨床で、この順番を段階的に進めていくことが大切だと考えています。
そこで今回のブログでは、
この「痛みを改善するための6段階フレームワーク」を完全解説します。
第1部の本稿では各ステージの神経科学的根拠を深く掘り下げ、
第2部では今日から実践できる具体的なドリルプログラムを公開します。
このフレームワークは単なる「健康法」ではありません。
身体を支える神経系のしくみをふまえて、土台から丁寧に積み上げていく、という考え方です。
ただ単に対処療法を闇雲に続けるのではなく、
カラダを根本から作り直すことが
痛みを改善する手段であり、健康寿命を伸ばす手段だと考えています。
では早速やっていきましょう!





第1章:なぜ「順序」が命なのか──神経系の階層構造という真実
このフレームワークの最大の特徴は、
6つのステージに「優先順位」をつけていることです。
これは私の臨床経験にもとづく組み立てで、研究で順序を比べたものではありません。
なぜでしょうか?

1-1. 脳の情報処理は「下から上へ」の階層構造を持つ
神経科学では、脳の情報処理に
「ボトムアップ処理」と「トップダウン処理」という
2つの流れがあることが知られています。
身体の制御においては、より原始的・根本的なシステム(脳幹・小脳・基底核)が
上位の随意運動制御(大脳皮質)の「土台」として機能しています。
Parvizi & Damasio(2001年)は「Cognition」誌の論文で、
呼吸などの生命維持を担う脳幹が、意識や覚醒の土台として働いていることを論じています。
「土台が整っていないと、その上に積んだものも安定しにくい」という考え方は、
このフレームワークの出発点になっています。

1-2. 脳への「入力の質」がすべてのパフォーマンスを決める
このシリーズを通じて繰り返してきた重要な概念が「脳への入力の質」です。
脳は、受け取る感覚情報(固有受容感覚・視覚・前庭感覚・触覚・聴覚)の質
に基づいて、運動指令の精度・痛みの閾値・認知パフォーマンスを決定します。
Proske & Gandevia(2012年)の「Physiological Reviews」誌の総説では、
脳が体の位置や動きを把握するしくみ(固有受容感覚)が詳しく整理されています。
感覚の情報があいまいになると、脳が体を慎重に(防衛的に)動かすようになるのではないか、
というのが私の臨床での考え方です。
そのため、感覚の入力を土台から順番に整えていく、という組み立てにしています。


参考文献: Parvizi J & Damasio A. (2001). Consciousness and the brainstem. Cognition, 79(1-2), 135-160.
参考文献: Proske U & Gandevia SC. (2012). The proprioceptive senses: their roles in signaling body shape, body position and movement. Physiological Reviews, 92(4), 1651-1697.



STAGE 1 呼吸(Breathing)──1日2万回前後の「神経チューニング」
なぜあらゆることに先立って「呼吸」なのか。
この問いへの答えは、量と質の両面にあります。

1-1. 1日2万回前後という頻度
大人は安静時に1分間に12〜20回ほど呼吸するので、1日に2万回前後になります。
これは、歩行・手の動作・眼球運動を含む
あらゆる運動パターンよりも遥かに多い頻度です。
呼吸のくせを整えることは、それだけ多くくり返される動きを整えることでもあります。

1-2. 呼吸と脳機能の直結回路
脳は酸素と二酸化炭素(CO₂)の適切なバランスによって動いています。
息を吐きすぎる・速く浅い呼吸(過換気)で二酸化炭素が出すぎると、
脳の血管が縮んで脳への血流が減ることは、生理学でよく知られています。
さらに重要なのが呼吸と自律神経の関係です。
Zaccaro et al.(2018年)の系統的レビューでは、ゆっくりとした呼吸で
心拍変動(HRV)が高まり、リラックス感や落ち着きが増すことが報告されています。
このフレームワークでは、呼吸を「次のステージに進む前に体を落ち着かせる」最初のステップとして置いています。

1-3. 「腹式呼吸」という誤った指導と「360度円筒呼吸」の神経学
運動指導の現場で長年「腹式呼吸をしましょう」と教えられてきましたが、
私はそれだけでは不十分なことがあると考えています。
「お腹を出す」という指示は前面の動きのみを促し、
肋骨の側面・背面への呼吸拡張を省略してしまいます。
私がおすすめしているのは「360度円筒呼吸(Cylindrical Breathing)」です。
吸気時に肺が膨らむにつれ、横隔膜が下降し、
腹腔内圧が360度均等に高まることで、
肋骨は前面・側面・背面の全方向に均等に広がります。
Kolar et al.(2010年)はMRIを使い、横隔膜が呼吸だけでなく姿勢を支える働きも担っていることを示しています。
「お腹だけをふくらませる」のではなく、肋骨の横や背中側にも空気が入る感覚を大切にしています。
参考文献: Zaccaro A, et al. (2018). How breath-control can change your life. Frontiers in Human Neuroscience, 12, 353.
参考文献: Kolar P, et al. (2010). Stabilizing function of the diaphragm: dynamic MRI and synchronized spirometric assessment. Journal of Applied Physiology, 109(4), 1064-1071. PMID: 20705944




STAGE 2 視覚(Vision)──空間をとらえる大切なセンサー
呼吸によって脳の受信態勢が整ったら、次に最適化すべきは視覚系です。
「よく見えていれば問題ない」という認識は、この文脈では大きく不十分です。

2-1. 視覚は空間認識の大切な入力
脳は、目・内耳・体の感覚を組み合わせて、空間の中での体の位置をとらえています。
どの感覚にどれくらい頼るかは、状況や人によって変わりますが、
目からの情報はその中の大切な入力の一つです。
特に重要なのが「視力(視野の鮮明さ)」ではなく
「眼球運動の精度と協調性」です。
視力が1.5あっても、眼球の動き(滑動性追跡・サッケード・輻輳・開散)に
うまく働いていなければ、脳に届く視覚情報の質が下がる可能性があります。

2-2. 目は「脳の窓」──眼球運動が示す神経系の健康状態
眼球運動を制御する神経核(動眼神経核・滑車神経核・外転神経核)は
脳幹に位置し、前庭系・小脳・大脳皮質と密接に連絡しています。
Leigh & Zee(2015年)の「The Neurology of Eye Movements」が示すように、
眼球運動の異常(滑動性追跡のカクつき・サッケードの精度低下・輻輳不全)は、
小脳・前庭系・前頭葉などの働きを反映することがあり、神経内科の診察でも重視されています。
眼球運動の評価は、脳の働きを知る手がかりの一つになります。


2-3. 現代人の眼球運動機能は著しく低下している
長時間のスマートフォンやデスクワークで近くを見続ける時間が長くなると、
目の疲れや、近くから遠くへのピント合わせのしにくさを感じる方が増えます。
こうした目の状態が、肩こり・頭痛・腰痛などに関わっている方もいる、と私は臨床で考えていますが、
原因として確かめられているわけではありません。
STAGE 2では、目の動きを整えたあとに体がどう変わるかを、評価しながら確かめます。
参考文献: Leigh RJ & Zee DS. (2015). The Neurology of Eye Movements (5th ed.). Oxford University Press.



STAGE 3 前庭系(Vestibular)──生命の根幹を担う「重力センサー」
内耳の前庭系は、胎児期のかなり早い時期から形づくられる感覚系の一つです。

3-1. 重力は人生で最も強力な力──だからこそ最初に発達する
人間は生まれた瞬間から死ぬ日まで、24時間365日、
重力の影響を受け続けます。
前庭系は、この重力に対して体の向きを感じ取る、大切なセンサーです。

3-2. 前庭系の機能不全が引き起こす広範な問題
前庭系の機能障害は、一般的に「めまい・バランス障害」
として認識されますが、その影響はそれだけにとどまりません。
現代の前庭神経学研究が明らかにしているのは、
前庭系が姿勢制御・眼球運動・自律神経・情動・認知機能という
驚くほど広い範囲に影響を与えているという事実です。
Staab et al.(2017年)が「Journal of Vestibular Research」誌にまとめた
「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」の診断基準では、
長く続くめまいに、不安などの心理的な要因が関わることがあると整理されています。
前庭系は、バランスだけでなく、気分や安心感とも関わる可能性があるシステムです。

3-3. 斜め方向VOR──複数の半規管を同時刺激する高度な訓練
前庭眼反射(VOR)の訓練において、特に強調するのが
「斜め方向のVOR」です。
これは単純な左右回転・上下うなずきより高度な訓練です。
内耳の三半規管は3つの異なる平面(水平・前垂直・後垂直)に配置されており、
それぞれが異なる方向の角加速度を検出します。
斜め方向の頭の動きでは、左右一対の垂直半規管(片側の前半規管と反対側の後半規管)に刺激が入ります。
単一方向の訓練に慣れた方の、次の段階の練習として取り入れています。
具体的に言うと、「鼻を右上に上げて左下に下げる」という斜め方向のVORは、
右側の前半規管と左側の後半規管を同時に活性化します。
日常生活では斜めの頭の動きも多いので、その練習として行います。


参考文献: Staab JP, et al. (2017). Diagnostic criteria for persistent postural-perceptual dizziness. Journal of Vestibular Research, 27(4), 191-208.



STAGE 4 動き(Movement)──すべての関節を3次元で制御する能力
呼吸・視覚・前庭という3つの感覚入力システムが整ったとき、
初めて「動き」の最適化が本当の意味で可能になります。

4-1. 「動きの地図」の完全性が身体能力の上限を決める
前章で解説した「皮質の地図のぼやけ(Cortical Smudging)」は、
腰椎・骨盤だけでなく、全身のすべての関節に適用される概念です。
脳が各関節の位置・速度・力を正確に把握できているほど、
その関節を安全・効率的に動かせます。
逆に、使われていない関節・動作パターンの皮質表現は
縮小・融合し、「地図のぼやけ」が生じます。
Moseley & Flor(2012年)のレビューでは、
慢性疼痛の方で、脳の中の体の地図(皮質表現)が変化していることがあり、
そこを狙ったリハビリテーションの考え方が整理されています。
この原則はパフォーマンス向上の文脈にも同様に適用されます。
使っていない動きのパターンを、安全な範囲で練習していくことを大切にしています。

4-2. 3つの運動面と多平面制御の重要性
人体の動きは矢状面(前後)・前頭面(左右)・水平面(回旋)の
3つの基本平面に分類できます。
日常生活・スポーツのほとんどの動作は、
これら3平面が組み合わさった「多平面複合動作」です。
そのため、前後の動きだけでなく、横やひねりの動きも練習に取り入れることが大切だと考えています。

4-3. 「未練習の動作=脳の防衛モード発動」という鉄則
エリック博士が強調する最重要の原則のひとつが
「脳がこれまで練習したことのない動作を指示されると、
防衛モードに入る」という事実です。
Vlaeyen & Linton(2000年)の恐怖回避モデルでは、
「動くと痛くなる・悪くなる」という恐怖から動きを避けることが、
慢性疼痛を長引かせる要因になりうることが示されています。
逆に言えば、可能な限り多くの動作パターンをあらかじめ
「安全な状態で」脳に経験させておくことが、
怪我や痛みの予防につながる可能性があります。
「やったことがない動きは怖い」ではなく
「やったことがない動きは一つもない」という神経系の状態を目指すのが
STAGE 4の目標です。
参考文献: Moseley GL & Flor H. (2012). Targeting cortical representations in the treatment of chronic pain. Neurorehabilitation and Neural Repair, 26(6), 646-652.
参考文献: Vlaeyen JW & Linton SJ. (2000). Fear-avoidance and its consequences in chronic musculoskeletal pain. Pain, 85(3), 317-332.



STAGE 5 統合(Integration)──4つのシステムを「動的に」結びつける
STAGE 1〜4で個別に最適化した呼吸・視覚・前庭・動きを
「同時に・動的に」機能させる能力がSTAGE 5の統合です。

5-1. 静的習得から動的実行への橋渡し
多くのトレーニングプログラムの弱点は
「静的・単独での能力習得」に留まり、「動的・複合状況での実行」への
橋渡しが不十分な点にあります。
例えば、停止した状態でのバランス訓練(片脚立位)は、
歩行中・スポーツ中という「動きながら」の状況に必ずしも転用されません。
Shumway-Cook & Woollacott(2017年)の運動制御の教科書が強調するように、
バランス・姿勢制御の「機能的転用」のためには、
訓練中に呼吸・視覚・前庭・動作の複数の要素が同時に関与する
「文脈特異的訓練(Context-Specific Training)」が必要です。
STAGE 5はこの原則を具体的に実践するフェーズです。

5-2. 恐怖のない動き──「脳の安全確認」の完成
本シリーズを通じて繰り返してきたテーマである
「脳が安全だと感じる環境を作ること」の完成形がこのSTAGE 5です。
呼吸で脅威レベルが低下し、視覚で空間が正確に把握でき、
前庭系で重力との関係が安定し、多様な動きを練習した脳は
「どの方向に動いても大丈夫だ」という確信を持つようになります。
Moseley(2003年)は、痛みを脳のネットワーク(ニューロマトリックス)の出力として捉え、
それにもとづいて患者さんに関わる考え方を提唱しています。
こうした「安心して動ける」経験を積むことが、痛みの軽減にもつながると私は考えています。
参考文献: Shumway-Cook A & Woollacott MH. (2017). Motor Control: Translating Research into Clinical Practice (5th ed.). Wolters Kluwer.
参考文献: Moseley GL. (2003). A pain neuromatrix approach to patients with chronic pain. Manual Therapy, 8(3), 130-140.



STAGE 6 認知×運動統合(Cognitive-Motor Integration)──デュアルタスクが命を守る
6段階の最終ステージは、多くのトレーニングプログラムが見落としてきた
最重要の要素、「認知機能と運動機能の統合」です。

6-1. 現実の生活は常に「デュアルタスク」
現実の日常生活・スポーツ・仕事において、運動は決して
「運動だけ」で行われません。
歩きながら会話する、荷物を持ちながら階段を降りる、
スポーツ中に戦術を考えながら動く──
これらはすべて「認知課題と運動課題の同時並行(デュアルタスク)」です。
Woollacott & Shumway-Cook(2002年)が
「Progress in Brain Research」誌に発表した研究では、
姿勢を保つことにも注意(脳の処理の資源)が必要で、
特にバランスに問題のある高齢者では、同時に別の課題をすると
姿勢の安定性が下がりやすいことが整理されています。

6-2. デュアルタスク能力の低下が「転倒・怪我・慢性痛」を引き起こす
加齢とともにデュアルタスク能力が低下することは
多くの研究で確認されています。
Beauchet et al.(2008年)の系統的レビューでは、
デュアルタスク歩行テストのスコア低下が、
将来の転倒リスクと独立した有意な相関を持つことが示されています。
デュアルタスク能力の維持は
「高齢者のリハビリ」だけの問題ではありません。
若年のアスリートから中高年の一般人まで、すべての人にとって
「動きながら考える・考えながら動く」という能力の意図的な訓練が、
パフォーマンスと安全の両方にとって不可欠なのです。

6-3. ワーキングメモリと処理速度の維持──「使わなければ失う」
認知神経科学において「Use it or lose it(使わなければ失う)」という
原則は広く確立されています。
Kramer & Erickson(2007年)が「Trends in Cognitive Sciences」誌に
発表したレビューでは、運動の習慣が、記憶や判断などの認知機能や脳の働きに
良い影響を与えることが整理されています。
運動と認知の課題を組み合わせることで、その両方を一緒に使う練習になると考えています。
参考文献: Woollacott M & Shumway-Cook A. (2002). Attention and the control of posture and gait. Progress in Brain Research, 143, 3-14.
参考文献: Beauchet O, et al. (2008). Dual-task related gait changes in the elderly. Journal of Nutrition Health and Aging, 12(3), 142-149.
参考文献: Kramer AF & Erickson KI. (2007). Capitalizing on cortical plasticity: influence of physical activity on cognition and brain function. Trends in Cognitive Sciences, 11(8), 342-348.





第2章:6段階フレームワークの全体像と相互関係
6つのSTAGEを個別に理解した後、それらの相互関係を俯瞰することで、
このフレームワークの考え方が見えてきます。

2-1. 下位ステージが上位ステージの「土台」を決める
STAGE 1(呼吸)の質が低い状態では、STAGE 2(視覚)の
最適化は不完全にしか達成できません。
緊張が強い状態では、目の動きにも余裕がなくなりやすい、と私は考えています。
同様に、STAGE 3(前庭)が機能不全の場合、
STAGE 4(動き)の多方向制御能力は大きく制限されます。
前庭系は姿勢制御の基盤的情報を脳に提供するシステムであり、
その機能不全は全身の運動制御の精度を落とします。

2-2. 評価→改善→再評価のサイクルが各ステージで機能する
このフレームワークの実践において、各ステージへの介入は必ず
「ベースライン評価→介入→即時再評価」のサイクルで行います。
この「テストして変える」という手法は本シリーズを通じて
一貫したアプローチです。
各ステージへの介入(呼吸改善・眼球運動訓練・VOR訓練など)が、
上の評価指標(可動域・バランス・筋力・認知パフォーマンス)に
即座に影響を与えることを確認しながら進むことで、
あなたの神経系にとって「最も効果的なステージ・最も優先すべき問題」を
特定できます。
このフレームワークは「6つすべてを完璧にしてから動く」
という直線的なプロセスではありません。
各ステージを評価しながら優先順位を特定し、
螺旋状に深化させていく継続的なプロセスです。





第1部のまとめ:「運動の前に脳を整える」という新しい常識
本稿でお伝えしてきた6段階フレームワークの核心をまとめます。
◆このフレームワークは、土台となるシステムから順に整える、という私の臨床での組み立てです。
 順序の効果を研究で比べたものではないので、評価しながら進めます。

◆STAGE 1(呼吸):1日に2万回前後くり返される呼吸を整え、体を落ち着かせる(Zaccaro et al., 2018年)。

◆STAGE 2(視覚):目の動きは脳の働きを知る手がかりの一つ(Leigh & Zee, 2015年)。

◆STAGE 3(前庭):重力を感じる大切なセンサー。長く続くめまいには、不安などの心理的な要因が関わることもある(Staab et al., 2017年)。

◆STAGE 4(動き):前後だけでなく横やひねりの動きも、安全な範囲で練習する。
「動くのが怖い」という恐怖は、痛みを長引かせる要因になりうる(Vlaeyen & Linton, 2000年)。

◆STAGE 5(統合):呼吸・視覚・前庭・動きを同時に使う練習で、安心して動ける経験を積む。

◆STAGE 6(認知×運動統合):考えながら動く練習。バランスに問題のある方では、デュアルタスクで姿勢が不安定になりやすい(Woollacott & Shumway-Cook, 2002年)。

第2部【実践編】では、この6段階を今日から自宅で実践できる
具体的なドリルプログラムとして完全公開します。
各ステージの評価法・介入手順・即時再評価の方法を詳細に解説し、
あなただけの「ゼロからの身体再構築ロードマップ」を設計します。
ぜひ、次回のコラムも楽しみにしておいてくださいね(๑•̀ㅂ•́)و✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

【主要参考文献】
・Parvizi J & Damasio A. (2001). Consciousness and the brainstem. Cognition, 79(1-2), 135-160.
・Proske U & Gandevia SC. (2012). The proprioceptive senses. Physiological Reviews, 92(4), 1651-1697.
・Zaccaro A, et al. (2018). How breath-control can change your life. Frontiers in Human Neuroscience, 12, 353.
・Kolar P, et al. (2010). Stabilizing function of the diaphragm: dynamic MRI and synchronized spirometric assessment. Journal of Applied Physiology, 109(4), 1064-1071. PMID: 20705944
・Leigh RJ & Zee DS. (2015). The Neurology of Eye Movements (5th ed.). Oxford University Press.
・Staab JP, et al. (2017). Diagnostic criteria for persistent postural-perceptual dizziness. Journal of Vestibular Research, 27(4), 191-208.
・Moseley GL & Flor H. (2012). Targeting cortical representations in chronic pain. Neurorehabilitation and Neural Repair, 26(6), 646-652.
・Vlaeyen JW & Linton SJ. (2000). Fear-avoidance and its consequences in chronic musculoskeletal pain. Pain, 85(3), 317-332.
・Shumway-Cook A & Woollacott MH. (2017). Motor Control (5th ed.). Wolters Kluwer.
・Moseley GL. (2003). A pain neuromatrix approach to patients with chronic pain. Manual Therapy, 8(3), 130-140.
・Woollacott M & Shumway-Cook A. (2002). Attention and the control of posture and gait. Progress in Brain Research, 143, 3-14.
・Beauchet O, et al. (2008). Dual-task related gait changes in the elderly. Journal of Nutrition Health and Aging, 12(3), 142-149.
・Kramer AF & Erickson KI. (2007). Capitalizing on cortical plasticity. Trends in Cognitive Sciences, 11(8), 342-348.

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安部元隆
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安部元隆(理学療法士)

綜合整体 GENRYU

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