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岸井謙児

カウンセリング歴35年、経験と信頼のカウンセリングのプロ

岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

カウンセリング・オフィス岸井

コラム

愛着とは「人と自分を信じる力」

2014年7月13日 公開 / 2014年8月1日更新

テーマ:子どもとどう接すれば良いか

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

最近「愛着障害」の子どもと関わることが多くなりました。
「愛着」というのは、簡単に言えば「親子の絆(きずな)」であり、人がこの世に生きていく上ですべてのベースになる「人と自分を信じる力」の源です。

例えばこういう話を思い浮べて下さい。

《小さい子供が、ある時自分の力では怖くて降りることが出来ない高いところに上ってしまいました。

当然子どもは「どうしよう・・・・・誰かたすけてくれないだろうか・・・」と困リ果てるでしょう。
しかしふと下を見ると下には心配した親が「怖かったね。大丈夫だからここへ飛び降りておいで」と両手を広げて待っていてくれているではありませんか。

「ああ、よかった」
子供はとっても怖かったけど、親を信じて思い切って勇気を振り絞って飛び降りたのでした。

もちろん親は子どもをしっかりと受け止め、怖かった子どもは抱き止めてもらった安心感から大声で泣き始めました》

子どもはこういう経験を積み重ねることによって「人は信じてよいのだ」「世の中はきっと自分を守ってくれる」「自分は守られる価値のある存在なんだ」という実感を身につけます。

しかしこの時、下で待ち受けて受け止めてくれるはずの親が、子どもが飛び降りた瞬間にプィッと後ろを向いてしまったらどうでしょう。
当然子どもは地面に激突し大怪我をするでしょうし、身体だけでなく心も深く傷ついてしまうに違いありません。

「信じていた親に裏切られた」「きっと受け止めてくれるだろうと思っていた自分が浅はかだった」「自分はどうでもよい存在なんだ」と思わずにはいられないでしょう。

小さい頃の親子関係の中で、しっかりと親を信じることができる体験の積み重ねが、成長してからの「人を信じる力」「自分を信じる力」につながるのです。

愛着障害の子どもたちと接する中で、子どもたちの心からの渇愛の叫びを感じずにはいられないのです。


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