便が出ない...便秘でお悩みの方、必見。「便秘解消マッサージ」をご紹介。
こんにちは、GENRYUです(^^)
この記事の要点
・「乳び槽(にゅうびそう)」は、脚やお腹からのリンパが集まる場所で、背骨のすぐ前、お腹のいちばん奥にあります。
・深い場所にあるため、お腹の表面から指で直接押したり「流したり」することはできません。
・そのかわりに、ゆっくりした呼吸・やさしいお腹のマッサージ・足首の運動を組み合わせる方法を紹介します。
※次のような場合は、お腹のマッサージをせずに医療機関を受診してください。
・お腹の痛みが強い、続いている、発熱をともなう
・お腹に、脈に合わせてドクドクと動くしこりがある
・妊娠中の方、お腹の手術を受けて間もない方
・片方の脚だけが急に腫れて痛む、息苦しさや胸の痛みがある
「乳び槽」ってどこにある?
「乳び槽」という名前を、初めて聞いた方も多いと思います。
乳び槽は、脚やお腹(腸)から戻ってきたリンパ液が集まる、リンパの「合流地点」です。
場所は、腰の高さ(第1〜第2腰椎のあたり)で、背骨のすぐ前にあります。
お腹の大きな血管(腹部大動脈)の右うしろ側、横隔膜の根もとの奥にあたる、お腹の中でいちばん深い場所です。
ここに集まったリンパ液は、「胸管(きょうかん)」という太いリンパ管を通って胸を上がり、首の付け根で静脈に合流します。
ちなみに「乳び」とは、腸で吸収した脂肪がまじって、牛乳のように白く見えるリンパ液のことです。
もう一つ、あまり知られていないことがあります。
乳び槽は、はっきりした「袋」の形で見つかる人と、見つからない人がいます。
複数の研究をまとめた報告では、はっきり確認できたのは約半数(55%)で、研究によって大きなばらつきがありました。
つまり、乳び槽は人によって形がかなり違う場所なのです。
お腹の上から「直接流す」ことはできません
ここで、とても大切なことをお伝えします。
乳び槽は背骨のすぐ前、お腹のいちばん奥にあります。
その手前には、胃や腸、大きな血管などがあります。
そのため、お腹の表面から指で乳び槽を直接押したり、中のリンパを「ドバドバ流す」ことはできません。
おへその上を指で強く押し込むのは、おすすめしません。
では、乳び槽から先のリンパの流れは、何によって動いているのでしょうか。
リンパ管そのものが縮む力に加えて、呼吸やお腹・胸の圧力の変化も関わると考えられています。
ただし、人と動物の研究をまとめた報告では、呼吸が流れに影響したという結果が多い一方で、研究ごとに結果のばらつきが大きく、まだ「はっきり分かった」とは言えない段階です。
ですから今回は、
「乳び槽を押す」のではなく、「呼吸」と「やさしいお腹のケア」と「脚の運動」で、体の中の流れを助ける
という考え方でお伝えします。
やり方:呼吸+お腹のケア+足首の運動
始める前に:今の状態を確かめる
まず、今の状態を一つだけ確かめておきます。
- お腹の張り感(張っている・少し張っている・張っていない)
- すねの内側を指で5秒押して、へこみが残るか
- 靴下のゴムのあとがどのくらい残っているか
このうち一つで十分です。終わったあとに、もう一度同じことを確かめます。
ステップ1 ゆっくりお腹で呼吸する(5回)
1. 仰向けに寝て、両膝を立てます
2. 両手をお腹の上に軽くのせます
3. 鼻からゆっくり息を吸い、お腹が手を押し上げるようにふくらませます
4. 口から、吸ったときの倍くらいの時間をかけてゆっくり吐きます
5. これを5回くり返します
ステップ2 お腹をやさしくなでるようにマッサージする(10回×3セット)
1. 両手のひらを重ねて、おへその上にのせます
2. 手のひら全体で、おへそのまわりに大きく円をえがくように、時計回りになでます
3. 押し込まず、お腹の皮膚と一緒に手が動くくらいのやさしい力で行います
4. 10回を1セットとして、3セット行います
時計回りは、大腸の中を便が進む向きにそろえた方向です。
お腹のマッサージについては、便秘の方60人を対象にした研究で、いつもの下剤に加えて8週間お腹のマッサージを行うと、便秘の症状やお腹の痛みが軽くなり、排便の回数も増えたと報告されています。
ただしこの研究では、下剤の量は減りませんでした。マッサージは、今の治療を置きかえるものではなく、「プラスする」ものと考えてください。
ステップ3 足首を動かす(20回)
1. 仰向けのまま、両脚を伸ばします
2. つま先を自分のほうへ引き寄せる、遠くへ伸ばす、をゆっくり10回くり返します
3. 次に、足首を大きく回します(右回り5回・左回り5回)
健康な20人を超音波で調べた研究では、自分で足首を曲げ伸ばし・内外にひねる動きを組み合わせると、脚の静脈の流れの速さ(平均)が約38%増えたと報告されています。
足首の運動は、脚にたまった水分を心臓のほうへ戻す「筋肉のポンプ」をはたらかせる方法です。
終わったら、もう一度確かめる
最初に確かめたこと(お腹の張り感・すねのへこみ・靴下のあとのどれか一つ)を、もう一度確かめてみてください。
結果は、
- 楽になった
- 同じ
- 悪くなった
- 分からない
のどれかで残しておきましょう。
「同じ」や「分からない」も、大切な情報です。
痛みが出たり、気分が悪くなったりしたときは、すぐにやめてください。
知っておいてほしいこと
今回の方法は、夕方の脚のむくみや、お腹の張りが気になる方のためのセルフケアです。
がんの治療後などで「リンパ浮腫」と診断されている方は、専門の治療(圧迫療法や専門家によるリンパドレナージなど)がありますので、主治医の指示を優先してください。
また、むくみが長く続く場合は、心臓・腎臓・肝臓などの病気が隠れていることもあります。気になるときは、早めに医療機関で相談してください。
続けても脚のむくみやお腹の張りが変わらない方は、
足首の硬さや歩き方、呼吸のしかたが関わっていることがあります。
大分駅から歩いて15分ほどの当院(大分市金池町)では、
足首やお腹まわり、呼吸の動きを一緒に確かめながら、
どこから見ていくかを整理しています。
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それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)
参考文献
乳び槽・胸管の形のばらつき
Plutecki D, et al. The Anatomy of the Thoracic Duct and Cisterna Chyli: A Meta-Analysis with Surgical Implications. Journal of Clinical Medicine. 2024;13(15):4285. PMID: 39124550
呼吸と胸管のリンパの流れ
Moazzam S, et al. The physiology of thoracic duct pressure and flow: A review of the literature. Physiological Reports. 2026;14(2):e70742. PMID: 41572961
お腹のマッサージと便秘
Lämås K, et al. Effects of abdominal massage in management of constipation: a randomized controlled trial. International Journal of Nursing Studies. 2009;46(6):759-767. PMID: 19217105
足首の運動と脚の静脈の流れ
Sochart DH, Hardinge K. The relationship of foot and ankle movements to venous return in the lower limb. Journal of Bone and Joint Surgery (British volume). 1999;81(4):700-704. PMID: 10463749
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