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コラム
住宅の健康⑧~壁の中はどうなっている その2
2021年8月24日
前回の最後に書いたことの説明です。
冬の壁の図が下の図です。室内には暖房をかけ加湿(温度が上がると人は乾燥していると感じるため加湿します)した空気があります。当然、室内の空気は力があるため外へ出ようとしますが、防湿フィルムがあるため壁を通過できません。それでも壁の中に入った空気や、室温で温められたもともと壁の中にある空気も、外気と通じている(温度が低く湿度も低い)通気層に入れば排出されます。
夏の壁の図が下の図です。室内には冷房をかけ除湿(温度が下がっても湿度が高いと涼しく感じないため、エアコンは温度を下げると同時に湿度を下げるため排水します)した空気があります。外気は高温多湿で力があるため通気層から壁の中に入り、空気中の水蒸気は排気されると同時に透湿防水シートから壁の中へ入っていきます。繊維系断熱材ならば冷えた内壁に当たり(夏型)結露します。また、コラム「断熱より結露対策」に書いたように通気層の水蒸気は窯業系サイディングの裏面(裏面は塗装していない)から吸湿されるようです。
⑥に書きましたが、日本では高温多湿な空気と低温少湿な空気が夏も冬も同時期に同じ場所に存在するのですから、結露する可能性が高いのです。A氏のように高気密高断熱をすればすべて解決すると考えている人たちは、なぜか通気層は壁の中の空気を排出するとは書かれていますが、外気が通気層を通って入ってくることついては何も書いていません。
通気層は絶えず外気が下から上に抜けるようになっています。入る量に比べ出る量が少なければ空気は出にくくなります。通気がスムーズにいかなければ、滞る空気が透湿防水シートを通過して壁の中に入るかもしれないと考えない方が私は不思議なのです。
次回は、『住宅の健康⑩~乾かないことが問題』です。
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