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コラム
高断熱の前に結露対策⑬~数字で表しているのは室内の温熱環境だけ
2021年5月11日
国は28年の改正で「外皮計算」という屋根(天井)、外壁、1階床(基礎)の部分別に計算して家の省エネ性能を表すようにしました。国の基準を満たすのは簡単で、性能のいい断熱材と断熱性能の高いサッシをはめればクリアできます。断熱性能も設計時にチェックするだけですから、それほど難しい事ではありません。
性能を数値化することが決められましたが、決められたのは温熱環境だけです。結露するかしないかも室内のことだけです。数字で断熱性能のレベルが分かることは非常に分かりやすいことです。しかし、その計算をしても室内環境の判断ができるだけ、熱的境界である床下、壁の中、天井裏(屋根)のことはどうなっているか考えていません。
⑫に書いたように、土壁や50㎜の性能の低い断熱材を入れていた頃は、気密性能はないも同然で風通しが良いため、内部結露の心配はありませんでした。壁の中や天井裏、床下の結露など無縁だったのです。室内の温熱環境のことだけを考えた現在の基準は、国の基準を守っても室内以外にどんな影響があるのか考えられていないのです。
「結露しないで断熱性能を上げる」ことは大変難しいのです。内部結露すれば⑪、⑫に書いたように家も人も傷めます。結露対策は断熱よりも優先しないといけないのです。
次回は、『高断熱の前に結露対策⑭~現場で外壁業者との会話3 』です。
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