職場で部下を新興宗教に勧誘していた店長を解雇できますか?
東京メトロの駅員が痴漢で起訴され、会社が諭旨解雇し
たことを不当として解雇無効を訴えていた事件で
このたび、解雇無効を言い渡しました。
従業員側の勝訴となったわけですが、東京メトロ側から
の言い分としては、痴漢防止する側の駅員が略式起訴
されたら、そんなの諭旨解雇されて当然と思うのかも
しれませんが、判決では悪質性や処分歴を考慮すれば
重すぎるということで決め方も不合理だとしているようです。
東京メトロのブランド価値を下げるこういう行為は従業員側に
非があるのは事実ですが、諭旨解雇は行き過ぎる処分ということで
すから、一般の企業もなおさら、こういう判決については参考
にしておきたいところです。
最近は、特に痴漢冤罪の事件が増えておりますが、最近は
原則として拘留は認めないようにしています。拘留されれば
解雇の確率が高くなるからという配慮もあってのことです。
在宅捜査で十分ですし、解雇されてしまったら結果的に
無罪であってもすべてはおしまいになると思いますから当然です。
被害相手の証言がほとんどになるので、やっていないということを
証明するのは大変なことで、痴漢を認めていないのにもかかわらず
取り調べを受けたりしているなかで、会社を解雇されたりする人の話を
聞くこともありますのでやはり誤った判断をすると会社側が損をすること
になるので注意しないといけません。冤罪事件がおおくなるから司法の
判断も変わってくるわけで傾向をつかむのは必要です。
「痴漢容疑をかけられたら人生変わってしまうよ」という教えを私は
信頼できる方から過去にレクチャーを含めて
受けていますが、電車にまったく乗らないわけにはいかないので
そうなるとできる限りリスク回避するしか方法はありません。
判決は、1つ1つその事件の背景が違うのでなんともいえないの
ですが、痴漢で起訴略式命令でも諭旨解雇はしないほうが無難
で、まして悪質性がなかったりするとなおさらです。
駅員が電車で痴漢というのは、消防士が放火、警察署員が空き巣泥棒、
というのと似ているような?いやちょっと違うのかもしれませんが、ちょっとモヤモヤする
すっきりしない判決でした。
そういえば、発売当初話題になった
ジャパン少額短期保険株式会社が9月に発売した
「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険」。
月額590円の格安保険料は、人気だったようです。
その後が個人的には気になっている次第です。
事件発生後48時間以内に限り、弁護士の相談料、接見費用は無料と
いうことですが、捕まった直後に落ち着いて電話など出来る状況に
あるかといったら、どうなんでしょうか。周りの人から押さえつけられて
羽交い絞めにされたりして拘束されているわけですから難しい
のではないかなと思ったりしました。
朝日新聞デジタル
東京メトロ駅員、痴漢で解雇は「無効」 東京地裁判決
電車内で痴漢をしたとして略式命令を受けた東京メトロの駅員の男性が、諭旨解雇されたのは不当だと訴えた訴訟で、東京地裁は25日、解雇を無効とする判決を言い渡した。石田明彦裁判官は「解雇は重すぎ、手続きにも問題がある」と述べ、解雇された昨年4月以降、1カ月あたり約36万円の支払いも命じた。
判決などによると、男性は2013年12月、出勤のため乗車していた東京メトロ千代田線内で、当時14歳の女性の尻などを服の上から約5分間触った疑いで逮捕された。略式起訴され、罰金20万円の略式命令を受けて納付。同社は男性を諭旨解雇とした。
訴訟で同社は「痴漢を防止すべき駅員であり、厳しい処断は当然」と主張したが、判決は「行為の具体的状況から悪質性は比較的低い」と指摘。同社が社員の痴漢への懲戒処分で、起訴(略式起訴)だけを基準とし、悪質性や処分歴などを考慮しないのは「処分の決め方として不合理にすぎる」とも述べ、解雇は無効と判断した。