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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話1925《ややこしいだけに、丁寧な説明が欲しい「右と左」のマナー》

2020年2月24日

テーマ:日常生活におけるマナー

コラムカテゴリ:くらし

マナーはその国々の気候風土、国民性、食べ物、歴史、文化、宗教などにより大きく異なりますが、同時に「不易流行的側面」も有しています。

ちなみに「不易」とはずっと変わらないという意味で、「流行」は時代とともに変化するという意味です。

つまり「本質的なものは守っていかなければいけないが、時代の流れとともに新しい変化も重ねていくことが大事」ということです。

例えばコミュニケーションの取り方も昔の「のろし」や「伝書バト」から、「手紙」「葉書」になり、「電話」という文明の利器が登場したかと思えば、今の「メール」「ライン」になりました。伝える内容は同じでも、伝える手段は大きく変化したということです。

また日本で最初に成文化されたマナーは「十七条の憲法」だといわれていますが、中国から伝来した「陰陽五行説」の影響を強く受けています。

※詳しくは「マナーうんちく話1775《日本人の生活やマナーに多大な影響を与えた陰陽五行説》」を参考にしてください。

わたしたちの日常生活に密着している「右と左」「奇数と偶数」のマナーもしかりですが、今回は「右・左」、次回は「奇数・偶数」のマナーに触れます。

日本ではすでに平安時代から上位は左、右は下位とされており、雛人形の飾り方も、昔は男雛が左で、女雛が右になっていました。

また、雛人形に登場する「左大臣」と「右大臣」は、左大臣が上位で参謀長的な役割を担い年長者になりますが、右大臣は戦を担当するので左大臣より若者です。

さらに「左近の桜」、「右近の橘」がありますが、桜が上位になります。

しかし明治になり西洋文明が日本に伝わり、マナーの世界にも大きな変化をきたしました。

国際儀礼「プロトコル」では右上位になっていますので、従来とは逆になり、ややこしくなってきました。
TPOに応じて、臨機応変な対応が求められるようになったということですね。

どちらに統一しなければいけないという決まりはありませんが、個人的には日本で発達した文化はその伝統を守ればいいと思います。
特に和の礼儀作法は、昔のことを大切にするところがいいと考えています。
着物、お茶、和食、和室での振る舞いなどなど・・・。

ところで日本の伝統礼法に「左上右下」という言葉がありますが、これはあくまで並ぶ当事者から見て左側が上位、つまり高位ということで、日常生活の中でも脈々と生きています。

例えばオカシラ付きの魚料理を頂くときにも、自分から見て左側に頭がきます。
和食定職の場合も、汁物より優位になるご飯は左側です。

加えて、和室における「襖」や「障子」も、襖や障子から見て左側が前になります。

これらは正面から向かってみると逆になったり、国際儀礼では右上位になったりして大変ややこしいのですが、中国では「皇帝が北極星を背に南に向かって座ることを良し」としたので左が尊ばれたのでしょう。

一方欧米では右、つまり「ライト」が正しいという意味を持つように右を上位と捉えたのでしょう。右が清浄、左を不浄とする国もありますね。
欧米の挨拶の「握手」は右手でするのがお勧めです。

お茶などの飲み物をサービスするときには右側からしますが、部屋の状況に応じて臨機応変に対応すればいいと思います。

以上のように、右と左は大変複雑な気がしますが、国際社会では右上位、日本の和室では左上位と認識いただければ概ね大丈夫でしょう。

お勧めは「今回は国際ルールに基づき右上位にしました」とか、「日本の伝統礼法に従い左上位で対応させていただいています」のような説明があればなおいいでしょう。

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