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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話685《有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり》

2014年2月21日

テーマ:日常生活におけるマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

春めいてきたせいか、この時期になると畑の雑草が急に元気になり始めます。
そして、これからは冬枯れで茶褐色の山肌が緑の色彩を豊かにしてきます。
野や山の草木に新芽が萌え始めるわけですね。

ところで、秋のキノコ狩りと同様に、春先の楽しみの一つに「山菜狩り」があります。最近はスーパー等でも手に入りますが、やはり大自然の中で歩き回って収穫した自生の山菜は格別です。

但し、山菜狩りは時期と場所がポイントになりますから、誰が言っても簡単に採れるものではありません。
時期と場所を熟知した人と一緒に行くことが肝心です。
それと、収穫した山菜を美味しく調理する知識も必要です。

ちなみに、山菜とは、栽培されている野菜に対し、野山に自生している食用になる植物をまとめて表現した言葉で、約300種存在すると言われております。

こうなると、どれが食べられて、どれが食べられないか、その見分け方は難しいので、食べられると確認できる山菜のみ収穫するのがいいですね。
豊かな自然の恵みを頂くには、それなりの知識や経験が大切です。

また、今の日本は世界一の「飽食の国」ですから、何も無理して山菜を食べなくてもいいかもしれませんが、食べ物に不自由していた昔は、春先の山菜はとても貴重な食べ物です。

縄文から弥生時代にはすでに食べられていたようですが、江戸時代になって幕府が飢饉に供えて山菜を奨励したので、それ以後全国に普及したといわれています。

さらに、山菜の特徴は何と言っても、独特の香りと苦み、それにアクの強さではないでしょうか。酒のつまみにも最適です。

『明日よりは 春菜(はるな)摘まむと 標(し)めし野に
昨日も今日も 雪は降りつつ』(山辺赤人)

明日こそは蕗の薹を採るつもりで標を付けてきたのに、昨日も今日も雪が降ってしまい、なかなか蕗の薹を採る事が出来ない。

最近の山菜は季節に応じて市場に出回りますが、やはり自生の物にはかないません。但し、今では貴重な物だけにマナーを守り大切に扱いたいものです。

『人みな有用を知りて、無用の用を知るなきなり』という諺があります。

「無用の用」は無くても良いようですが、実は無用の用こそ大切であると言うことです。
例えば、「雑談」。

職場で雑談を禁止している所も多いようですが、雑談にはそれなりの効果があります。勿論TPOに応じて判断は必要ですが、雑残は職場を明るくし、温かい雰囲気を醸し出してくれます。
さらに仕事を楽しくできます。

また、家庭での雑談はとても大切です。
夫婦間や親子間での雑談は家族の絆作りに欠かせません。
最も大切な人と、おしゃべりすることで元気が湧いてきます。
家庭でも職場でも学校でも、気軽に雑談できる相手がいる人は幸せです。

そして挨拶。
挨拶は別にしなければしないで支障が無いかもしれません。
しかし、挨拶には、「相手の存在を認識する」意味と、「相手と仲良くしたいという意思表示」の意味があります。

つまり、雑談も挨拶も、マナーと同じで良好な人間関係を築く潤滑油です。

今の日本では、美味しい物は氾濫するくらいあるので、無理に野山を駆け巡り山菜を食べる必要が無いかもしれません。

しかし、春の七草や春の使者と呼ばれる「蕗の薹」、山菜の王様の「タラの芽」等には、多くの効能があります。
利便性や合理性の追求のみならず、たまには「無用の用」の大切さを再認識したいものですね。

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