コラム
育児休業中のテレワークは可能?
2021年1月14日
社労士&アンガーマネジメントファシリテーターの三谷です。
今日は、「育休中のテレワークは可能か」という話です。
コロナ禍の中でテレワークの実施が叫ばれています。
そんな中、育児休業をしている社員にテレワークで仕事をしてもらうことは可能でしょうか。
【育休中の就労】
そもそも、育児休業中に仕事をすることができるか、という問題があります。
これについては、育児・介護休業法上の育児休業は、休業期間中に仕事をすることは想定されていません。
子どもを養育する必要があるために休んでいるからです。
しかし、例外的に、「労使の話し合い」により、
「一時的・臨時的」にその事業主の下で就労することはできます。
しかも、就労が月10日 (10日を超える場合は80時間)以下であれば、
育児休業給付金も支給されます。
(就労した賃金に応じて減額調整はされます)
一方で、恒常的・定期的であったり、
会社からの一方的な要請で仕事をさせる場合は、認められません。
あくまでも、一時的・臨時的であることと、本人の同意が必要です。
例えば、トラブルにより会社の基幹システムが停止し、
早急に 復旧させる必要があるため、経験豊富なシステムエンジニアである
育休中の社員に、修復作業を事業主が依頼し合意した場合が該当します。
(厚労省パンフより、一部修正)
【テレワークは一時的・臨時的か】
では、育休中の社員に在宅勤務(テレワーク)を行ってもらうのはどうでしょうか。
上記と同じように、在宅勤務であっても、例えば、突発的なトラブル対応で、
その都度会社との話し合いをし、臨時の業務を在宅にて行ってもらうのには
問題ありません。
ただし、 育休開始当初より、あらかじめ決めておいた1日4時間で月20日間在宅で仕事してもらう、
月曜日の午前中はオンラインにて会議に出てもらう、等の場合は認められません。
「テレワーク=一時的・臨時的」ということではなく、
あくまでその業務内容が一時的・臨時的かどうかが問われます。
【まとめ】
人手不足の中、育休中の社員でしか分からない突発的な業務も発生するでしょう。
そのため、企業担当者は、育休中の就労ルールを理解し、
適切に育休中の社員に協力を求められるようにしておきましょう。
出典:厚生労働省:育児休業中の就労について
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000706037.pdf
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