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庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(しょうじひでたか) / 社会保険労務士

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

コラム

「もめて退職したら賠償金」の契約は違法、労基法違反容疑でネット契約代理店を書類送検

2017年1月16日 公開 / 2020年11月27日更新

テーマ:退職・解雇

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 退職 手続き

少し前のニュースで大変気になったニュースです。

会社側と対立して退職した際は賠償金を払わせるとした
違法な労働契約をしていることは労働基準法違反容疑にあたるということ
で、インターネット回線契約の代理業務を行う会社(大阪市西区)と同社の
代表取締役の男性(34)を、大阪地検に書類送検しました。

退職の際にこういうトラブルはありますが、書類送検されるということは
かなり悪質とみなされたからですが、退職に際しては自由にやめることが
できる従業員側のほうがひどいケースもありますがそれでも会社は
訴えたりすることはまずできませんし、そもそも会社側にも問題があるケースも
多いのでしょう。

さて書類送検までされたのは厳しいと思いますが、労働基準法の
16条に「賠償予定の禁止」を定めています。

会社は労働契約の不履行について、違約金を定め、又は損害
賠償額を予定する契約をしてはならないと定めているので、たとえば
引き継ぎをしないでやめたら、給与2か月分を返還しなければならないと
いうような契約は結ぶことができないわけです。

一般的にこの16条が問題になるのは、研修費用や留学費用の負担に
ついてで、留学から帰ってきて○年以内に特別な理由なく退職した場合
費用の負担をしなければならないというようなルールです。

労使お互いに冗談じゃないと問題となるところですが、実態で判断
されていることが過去の判例では多いので、あまり長い拘束は
いうまでもなく労働者の自由を奪っているようにみえるようなルール作りは
リスク回避のためにもやめたほうがいいでしょう。



産経新聞より
「もめて退職したら賠償金」の契約は違法、労基法違反容疑でネット契約代理店を書類送検 大阪西労基署

会社側と対立して退職した際は賠償金を払わせるとした違法な労働契約をしていたとして、大阪西労働基準監督署は、労働基準法違反容疑で、インターネット回線契約の代理業務を行う会社(大阪市西区)と同社の代表取締役の男性(34)を、大阪地検に書類送検した。労基法では、違約金や損害賠償をあらかじめ定める労働契約を禁止している。

 書類送検容疑は4月、10代女性とアルバイト契約をした際、退職届を出さずに欠勤したり引き継ぎを十分にできなかったりした場合に「給与2カ月分の賠償金を払う」との違法な契約をさせたとしている。

 同社は女性が退職しようとした際、この規定を元に賃金支払いに応じず、同署が9月に家宅捜索。調べたところ、全従業員に同様の契約をさせていたことが判明した。家宅捜索後、賃金は支払われたという。

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