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コラム
タイムカードの不正打刻は、懲戒解雇できるか?
2016年11月17日 公開 / 2020年11月27日更新
3時間も遅刻していて、午前中出勤していないにもかかわらず
タイムカードを同僚に通常出勤したように過去2回も打刻させて
いた従業員たちが社内にいることが明らかになり大問題となりました。
あまりにも悪質なので本人及び不正に協力した同僚含め2人とも
懲戒解雇したいと思いますが、可能でしょうか?
専門家としての解答は個別の事情等により異なりますが
懲戒解雇するにはいろいろな条件が必要になりますので
慎重に対応しないとならないと思います。
懲戒解雇しても無効となる可能性もありますので
注意が必要です。
さて、このようなケースは昔に比べて少なくなっていますが
いまだにグループや部署でグルになって不正をする人たちは
いるようです。
タイムカード 打刻不正 、タイムカード 改ざん、タイムカード 不正防止
というキーワードで検索される方は多いようです。
もちろんタイムカードの不正打刻が発覚したのであれば懲戒処分をするのは
就業規則などに記載さえあれば可能ですが、その程度については、個別状況
等によって変わってきます。
同様にタイムカード 不正 解雇という検索をされている人も多いようで
すが、タイムカードの不正打刻に関しては、八戸鋼業事件という最高裁判例が
有名ですので、少しみておくこととします。
同僚のタイムカードに不正打刻をし、翌日発覚し、2人とも懲戒解雇された事件です。
最高裁では、会社が不正打刻については解雇するということを従業員に周知して
いたこと、そしてこの警告を無視してさらに不正打刻を行ったことを悪質であると判断し
懲戒解雇無効の原判決を破棄して懲戒解雇を有効としたものです。
会社は2人ともに懲戒解雇をした(最高裁で有効)という事件ですが当時の社会
情勢なども関係あるからわかりませんが、その人の立場、職種、管理体制などは
関係することと思います。
懲戒解雇が有効になったポイントは、かなり悪質であるということ、会社をだまして
給与をとろうとしているような場合、絶対に許されることではありませんので
社内での労務管理のうえでもこのようなタイムカードの不正打刻や虚偽の残業申請
などは絶対に許さないという覚悟で臨むことを伝えるのがよろしいでしょう。
しかしながら懲戒解雇が有効になるには相当ハードルが高いので、会社のそれまでの
姿勢や本人のこれまでの勤務態度(前にも同じことをやったことがある?)などにも
関係するので安易に判断せず、専門家にアドバイスをもらってください。
一度でもこういうことがあったら始末書をもらっておくと2回目の時には
解雇がより有効になりやすいということで証拠と指導実績は大事ということです。
いずれにしても証拠がなく、周囲の証言もないにもかかわらず
勝手に不正打刻を決めつけて退職に追いやるような行為は許されません。
疑わしきは罰せずということも大切ですので、周囲の一部の従業員の密告だけを
信じることのないようにしてください。
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