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庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(しょうじひでたか) / 社会保険労務士

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

コラム

在職中の社員が死亡したときの実務 その1 給与計算、給与支払い相手、支払い方法 

2015年5月24日 公開 / 2015年5月31日更新

テーマ:給料計算・給与計算

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 年末調整 計算退職 手続き退職金制度 導入

   在職中の社員が亡くなった際の実務や取り扱いについては、意外と難しく、詳細のところまで
   わかっていないという人が多いと思います。葬儀関連や遺族対応の実務のような総務関連の
   ことは別としても、給与、賞与、退職金、住民税、弔慰金、埋葬料、遺族年金、生命保険、
   企業年金など 結構会社側でやることがいろいろあります。
  
   従業員の死亡は、労災かその他私傷病かでまずは保険給付などの手続きは
   大きく分かれます。 次に死亡する前に、労災でなかったとすると傷病手当金を受給
   しているかどうかも残りの傷病手当金の申請に関係するので大事なポイントの1つです。
 
   労災ではないものとして退職手続きをしても、近年では退職後少ししてからパワハラによる
   自殺や過重労働による過労死認定され、労災としてあとになって認められることもあります。
     
   次に遺族代表は誰になるのか? 配偶者がいるのか? 扶養に入っていないと会社は
   家族構成もよくわからないということもあります。誰が緊急連絡先になっていて実際に法定相続
   人は誰になるのか? このあたりは、早い段階から確認しておかないとあとからトラブルになるので
   意識しておきたいところです。
   
   そんなわけで、社会保険労務士なので遺族年金の話を最初にするべきではありますが
   実は大事なのは、給与計算の実務のほうだったりします。

   前置きが長くなりましたが、給与計算のポイントとしては、死亡日以降に支払われる給与は、
   所得税が課されないということです。死亡前までの給与所得に対しては、年末調整
   処理を行う必要があります。いわゆる「死亡時年調」をしないといけないということです。
   なお死亡日後に給与の支払いがあった場合、その際に徴収された前月分の社会保険料
   は死亡年調には含めないことになります。

    死亡後に支払日がくる給与は相続財産となりますので、相続税の対象です。
   意外とわかっていないことも多いので、そのあたりは相続人に伝えておきましょう。
   したがって死亡後に支払われている給与に関しては源泉徴収票は、発行しません。
      
   あとは、死亡して市町村に届出すると、銀行の給与振込口座は、ロックされてしまうので
   配偶者でも簡単に口座から引き出すことができません。またロックが先にされてしまうと
   振込自体ができなくなることも覚えておきましょう。
   その際に相続人でない方に給与を誤って支払ってしまわないように、実際に支払うことに
   なったら戸籍謄本など身分を証明するものを確認するようにしましょう。

   ここで問題になるのは、配偶者と死亡した本人が別居状態にあったり、同居していても
   仲がよくない状態だったりすると、死亡した本人の他の親族が出てきたりして、いろいろ会社に
   主張してくることがあります。

   離婚して元配偶者が自分との子供を育てているとき、婚姻関係が破たんしていたがずっと
   同棲してした人が他にいる場合などです。
    
    会社は一切関係ない遺産相続のことであとからもめることもよくないので、それなら
   本人銀行口座に支払えばあとは銀行が、慎重に判断して支払いをすることになりま
   すのでそのほうがいいこともあります。

   また機会を設けて、在職従業員の死亡した場合の実務のポイントについて
   まとめていければと思っております。

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