人材の2:6:2の法則は崩れている?
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行った
新入社員意識調査アンケート結果によると
理想の上司は「寛容型」で、会社に望むのは人間関係の良さ
という傾向にあるということが明らかになりました。
仕事以外の時間を大切にしたいと考える傾向が強くなってきて
いることも大きな特徴ですが、決して出世意欲がないということでもなく
47.6%は「出世したい」と答えています。
またブラック企業でないかを気にした人が8割もいて
これもここ最近のブラック企業問題の報道による影響
を受けているようです。またできれば定年までつとめたい
という人が以前より多くなっていると分析しています。
新入社員意識調査は、たくさんのところから発表され
それぞれ特徴がありますが他にもマイナビの調査は有名です。
http://www.mynavi.jp/news/2015/04/post_8717.html
比較してみると、当然ながら違いはたくさんあり、このような調査を
冷静に斜めから見てみることも必要です。そういった意味で
みると、今回、リリースのキャッチコピーは 「理想の上司 寛容型」と
いうことで少しおとなしめだった気がしますが、どうしようもないのでしょうね。
ゆとり世代の特徴から考えると、上司も寛容型じゃないとうまく操縦でき
ないのかもしれません。
さて、斜めから見てみるという点で考えてみますと
前年、そして10年くらいの推移はどうなのか? ということをきめ細かく見ると
いうことが大事ですが、アンケートを行う外部環境やタイミング、アンケートを受ける
社員の企業の規模や業種でも、そして質問の仕方や選択肢のちょっとした
言葉の使い方の違いだけで結果も変わる、言い方を変えると回答の傾向も
若干操作するようにつくりだすこともできるわけです。何事も冷静に結果を見る
ことを常に意識しないといけません。
まあこの会社の新入社員研修を受けた人がターゲットですから、大手企業が
ほとんどでしょうから、そういった目線でアンケート結果を見るとなるほどと思うくらい
の余裕をもちたいものですが、簡単ではないです。それだけ調査対象や調査意図などを
深く掘り下げて見る習慣は、私にはあまりないのですがいろいろ私の師匠にあたる人に
そういうことを教えてもらってきて変わってきました。
いずれにしてもこのような意識調査は、銀行系とかでは多いようで
地銀の調査もよく見かけますし、このような調査をすることは
狙いがきちんとあるわけです。生産性本部とか産能大学とかも
やっていますが、広告でやっているのがほとんど、あるいはそのデータを
買っている会社などがあるからではないかと個人的には思っています。
調査結果を行い、プレスリリースするのはその目的があるのですが、今回の
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社も訴えたいことが
あるのではないかと思いますし、若者社員の意識の変化、国への政策提言、
などの社会的使命として行っている一面もあります。ずっと続けているという
ことがまたその価値を高めるわけです。
今回は、1400人というデータを早速このタイミングで集計して、鋭い分析をいれてレポートに
まとめてくるあたりは素晴らしいですし、中味も早速全部拝見しましたが
とてもいい切り口の指摘がありまして安定感があるという印象を
例年同様に受けました。トレンドをしっかり押さえていて、ゆとり世代の分析を
しっかり入り込んで行動を読み解いています。このような資料作成は、ほんとうに頭と体力と
スピードが求められるので大変だと思いますし、このようなデータを参考にしない
手はありません。
2015(平成27)年度 新入社員意識調査アンケート結果
-定着する「ゆとり」意識、理想の上司は「寛容型」-
http://www.murc.jp/thinktank/economy/analysis/research/report_150501
さて、息抜きにちょっとおまけ。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社は、今は三菱色が
圧倒的に強くなりましたが、私のイメージでは三和総合研究所です。
実際に三和総研が母体になっています。
合併前の東海銀行と三和銀行と三菱銀行(東京銀行も含めて)の3つの拠点
が影響していることもあり、東京・大阪・名古屋で活動しているようです。
銀行の合併により、今の形になりましたがこの会社は
システム系はやっておらず純粋なシンクタンクであり、
国の経済政策などを支えているといってもいいのかもしれません。
その昔は、森永卓郎さんとかが、在籍していましたが、今だと、ワールドビジネス
サテライトのコメンテーターで有名なマクロ経済の第一人者、五十嵐敬喜
調査部長が有名ですし、コメント内容が私の好みでした。
この3月までコメンテーターをやっていましたが、今は、やっていないようです。
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