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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話2055《SDGsに逆行する弁当大量廃棄と日本のもったいない文化》

2021年8月19日

テーマ:マナーの心得

コラムカテゴリ:くらし

【唖然とした食べ物への配慮のお粗末さ】

賛成派と反対派が二分される中、たいした議論されることなく強行され、明暗を含め多くの話題を湧き起こした東京オリンピックも終わり、只今新型コロナ感染爆発に見舞われています。

予想通りですね。

何をするにも賛否両論あってしかりだと思いますが、それにしてもこんなに多くの矛盾を感じたオリンピックは本当に珍しいのではないでしょうか。
メダルを多くとればいいということではないでしょう。

今回の五輪は最初から最後まで、挙げればきりがないほど多くの矛盾に満ちていたので、少々のことでは驚かなくなっていたのですが・・・。

洋食と和食のテーブルマナーに30年以上関わり、食べることの大切さを訴え続けてきた者として、桁違いに多くの弁当が箸を付けられることなく大量廃棄され続けてこられた!との報道には唖然としました。

そうでなくとも全世界でSDGsが話題になり、日本も官民挙げて熱心な取り組みが行われている真最中です。

しかも東京五輪でもSDGsを理念の一つに掲げていたと思うのですが。


もともと日本は「おもてなし文化」とともに「もったいない文化」を有する国で、世界からも高い評価を受けています。

そんななかでの弁当の大量廃棄で、日本の環境への配慮のお粗末さが露呈したのではないでしょうか。


【マータイ博士と日本のもったいない文化】

1997年に「京都議定書」が採択され、地球温暖化対策への取り組みが世界的に進みましたが、2005年に京都議定書の関連行事に参加するため、ケニアの「グーリンベルと運動」の創始者で、環境副大臣のワンガリ・マータイ博士が来日され、日本の「もったいない」という言葉にいたく感動されました。

3R、つまり「ごみ削減(reduce)」「再利用(reuse)」「再資源化(recyle)」のすべてを包括するのが「もったいない」という言葉だからでしょう。

そして地球環境に負担をかけないライフスタイルを通じ、持続可能な循環型社会を目指して、大々的に「もったいないキャンペーン」が展開され、日本の「もったいない文化」は世界共通語の「MOTTAINAI」になったわけですね。


【食品ロスは最大級の「もったいない」】

私はこの世で最も「もったいない」ことは「殺人」と「自殺」だと思っていますが、私たちが身近に感じる「MOTTAINAI」の筆頭格といえば、なんといっても食品ロスだと考えます。

だから家庭でも、学校でも、会社でも、子どもから大人まで全員が食品ロス低減に熱心に取り組んでいるわけです。

まだ記憶に新しいと思いますが、数年前に店頭販売されていた「恵方巻」の大量廃棄が大きな問題になりましたね。
テレビでも放映されました。

私は「もったいない」という言葉や精神は、決して一過性の流行語ではなく、大変重みのある美しい言葉だと常々思っています。
だからこそ、食べ物の大量廃棄は大きな話題になるのでしょう。

それが選りによって、世界中の人が集まるオリンピックの会場で、約13万食の弁当が廃棄されていたとか・・。

実際に全体でどれくらいの廃棄があったか?については確認中とのことだそうですが、ただただ驚くばかりです。

弁当1食当たりどのくらいの金額かは私にはわかりません。
何兆円もの予算に比べたら微々たる金額かもしれませんが、そういう次元の話ではないでしょう。

恐らく弁当を作る人は、少しでも予算を抑え、美味しくて、栄養のあるものを提供したいとの思いで、早朝から一生懸命真心こめて作られたと思います。


【食べ物は命を繋ぐ神聖なもの】

ちなみに世界には「3大食法」があり、いろいろな食べ方が存在します。

日本のように箸を使用して食べる「箸食」もあれば、手で直接食べる「手食」もあります。

宗教により食べ方が異なるわけですが、いずれにせよ「食べ物は命に直結する非常に神聖なもの」と位置付けています。

そんな神聖な食べ物を廃棄し続けた組織の在り方に大きな疑問を抱きますが、皆さんはどのように思いますか。

今では報道はすっかり沈静化していますが、いつものことのようにうやむやにしてはいけないことだと考えます。

この記事を書いたプロ

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