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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話1078《河豚は喰いたし 命は惜しし》

2015年11月3日

テーマ:歳時記のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

11月の季語としては、このコラムではすでに登場していますが、「十夜」「山茶花」「七五三」「大根」「落葉」「枯れ葉」「時雨」等がおなじみですね。

「女(男)心と秋の空」と言いますが、これから天気が変わりやすくなり、時雨も多くなりそうです。

ちなみに、雨が降ったかと思ったら、すぐに止んだりする小雨の事を「時雨(しぐれ)」と言います。

昔から風情の在る雨とされていますが、時雨は訪れる時間により「朝時雨」、「夕時雨」、「小夜時雨」等の名前が付けられています。

いずれにせよ、晩秋になって時雨が降るようになると、いよいよ冬支度に取り掛からなくてはいけません。

ところで、11月の大きな年中行事としては3日の「文化の日」と、15日の「七五三」、23日の「勤労感謝の日」ですが、いずれも《マナーうんちく話》で詳しく触れていますので是非参考にして下さいね。

そして食べ物のおいしい季節ですが、この時期江戸の人が最も好んで食べたのが「納豆」です。

江戸後期になると食生活がとても豊かになり、現在のようにご飯の上に納豆を載せて頂くようになったとか・・・・。
「蜆(しじみ)売り」に「納豆売り」が江戸の朝を活気づけていたようですね。

さらに江戸時代にはサツマイモが栽培されるようになり、やがて秋になると、江戸の町に「焼き芋屋」が登場してきます。

高貴な女性から庶民まで、身分に関係なく、焼き芋が江戸の女性の胃袋を掴んだわけです。

そしてなんといっても河豚ではないでしょうか?
江戸の美食家が命がけで食べていたとか・・・。
命は惜しいけど、それでも食べたいのが河豚でしょうか・・・。

初夏の鰹を、恋女房を質に入れてでも金を工面して食った江戸っ子らしく、「粋」な生き方とは、このようなことかもしれませんね。「食べたいのはやまやまだけど命は惜しい」というような、俳句や川柳も沢山あります。

《あらなんともなや きのうは過ぎて 河豚汁(ふくとじる)》松尾芭蕉

フグ汁を食べて一日過ぎてしまったが何ともない。
昨日の心配は何だったのか?
如何にもほっとした気持ちを詠んだのでしょうね。

「河豚は喰いたし 命は惜しし」という言葉がありますが、判断に苦しむという意味で使用されます。

「なんでそんなに心配してまで食べるのか?」、他にカワハギのように旬の美味しい魚はいくらでもいるのに、と思う人は多いと思います。

現代では、河豚にせよ、毒キノコにせよ、その生態はかなり研究されており、安全な食べ物になりましたが、万一中毒になった時の特効薬も治療法も確立していません。

それでもあえて、多大な危険を冒して食べたい人の気が知れないのは、一理あるかもしれません。

特にこの気持ちは、欧米人にはまったく理解できないのではないでしょうか?
昔から、言葉では言えない、特別な魅力が河豚には有ると思います。

参考までに、「河豚」は中国で付けられた名前です。
中国では河豚は、ある時期になると河にやってくるので、それを捉えて食べたから河豚となったわけです。

しかし、日本では海で捕れる物ですから、「河豚」より「海豚」の方がよりマッチしていると思いますが如何でしょうか?
実は「海豚」は「いるか」と言う名前がすでに付けられています。
これから河豚を食べる機会が多いと思いますが、話の種にして下さいね。

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