骨盤周りのお肉が取れない方、これが原因です。
こんにちは、GENRYUです(^^)
加齢に伴う体型の変化、特に骨盤周囲（ヒップや下腹部）の脂肪増加は、
多くの方々が気になる問題ですよね。
なぜ、骨盤周囲に脂肪がついてしまうのか？
なぜ、この脂肪が蓄積されていくのか？
そして、なぜこの脂肪が減らないのか？
これを紐解いていきます！
この現象は単なる「生活習慣の乱れ」ではなく、ホルモン変動、
代謝機能の低下、脂肪組織の生理学的再分布が複合的に関与した結果です。
今回のブログでは、これらのメカニズムを医学的知見に基づいて詳しく解説します。
PubMedやNatureなどの信頼できる研究論文を参考に、女性・男性の性差も考慮しつつ、
科学的根拠を明確にします。
これに対するエクササイズは次回のブログでお伝えします。
今回は原因分析に焦点を当て、加齢の体型変化を科学的に解明していきましょう。
1. 加齢による脂肪分布の生理学的シフト
末梢型から中央型への移行加齢は体脂肪の総量を増加させ
（40-60歳で女性約10-15%、男性5-10%上昇）、その分布パターンを根本的に変えます。
若年期では四肢や顔面の末梢脂肪が優勢ですが、中高年以降は腹部・骨盤周囲の
中央脂肪（内臓脂肪および皮下脂肪）が優位になります。
この再分布は、脂肪細胞のアドレナリン受容体（α2型：脂肪分解抑制、β型：分解促進）の
加齢性変化によるもので、骨盤周囲の皮下脂肪蓄積が顕著です。
Nature Reviews Endocrinology（2021年）のレビュー論文では、
加齢による脂肪細胞の機能不全が内臓脂肪/皮下脂肪の増加を促し、
骨盤周囲の皮下脂肪が20-30%厚くなるメカニズムをMRI解析で明らかにしています。
女性ではgynoid型（梨型）分布が基盤となり、加齢で骨盤下部の皮下脂肪が強調され、
男性のandroid型（りんご型）と比較して下半身優位の変化が見られます。
Scientific Reports（2022年）のコホート研究では、
加齢男性の内臓脂肪増加が骨盤上部の中央肥満を形成し、
全体脂肪率の15-25%を占めると報告されています。
このシフトは進化的に、繁殖期のエネルギー貯蔵を反映した適応ですが、
現代社会ではインスリン抵抗性や心血管リスクを高めます。
系統的レビュー（Obesity Reviews, 2020年）では、中央脂肪再分配が
糖尿病発症リスクを2倍以上に引き上げ、骨盤周囲の脂肪が炎症性サイトカイン（IL-6など）を
産生して悪循環を生むと指摘されています。
骨盤周囲は大腿動脈や仙腸関節に近いため、脂肪蓄積が局所的な血流障害を
招きやすいのです。
2. ホルモンバランスの変動
エストロゲン・テストステロンの低下が脂肪再分布を駆動女性の加齢変化の中心は、
更年期（平均51歳）でのエストロゲン産生急減（卵巣機能低下による90%減少）です。
このホルモンは脂肪細胞のエストロゲン受容体（ERα）を介して、
若い頃はgynoid型分布を維持しますが、低下すると
LPL（リポタンパク質リパーゼ）活性が変化し、内臓脂肪への脂肪取り込みを促進。
結果、骨盤周囲の皮下脂肪/内臓脂肪が5年で30%増加します。
PMCのレビュー（2021年）では、更年期移行期のエストロゲン変動が
皮下脂肪から腹腔内脂肪へのシフトを誘発し、骨盤周囲の皮下脂肪の
炎症変化が骨密度低下と連動することを、DEXAスキャンで確認しています。
また、IMRPress（2025年）のRCTでは、HRT（ホルモン補充療法）が
エストロゲン欠乏による内臓脂肪蓄積を10-20%抑制し、SREBP-1c（脂肪合成酵素）の
発現を低下させるメカニズムを解明。
骨盤脂肪の再分布を部分的に逆転可能とされています。
男性では、テストステロン（T）の加齢性低下（30代から年1%減、60歳で50%低下）が
芳香化酵素を活性化し、エストロゲン過剰を招きます。
これにより、脂肪細胞の脂肪合成が加速し、骨盤上部の内臓脂肪が優位に。
PMCレビュー（2008年）では、低Tが内臓脂肪増加を促し、
TRTで脂肪質量を5-10%減少させたエビデンスをまとめています。
Nature（2022年）の縦断研究では、低Tと骨盤内臓脂肪の相関（r=0.45, p<0.001）が強く、
加齢男性の中央肥満を説明。
WWi（体重調整腰囲指数）で骨盤脂肪の予測精度が向上すると報告されています。
共通の要因として、成長ホルモン（GH）の減少（加齢で14%減）がIGF-1軸を弱め、
脂肪合成を促進。
JCI Insight（2022年）では、GH低下が骨盤周囲内臓脂肪の蓄積を加速し、
代謝性疾患リスクを高めるとされています。
ホルモンバランスの乱れは、骨盤周囲脂肪の「選好的蓄積」を生む要素になっています。
3. 代謝機能の低下とサルコペニア
筋トレ不足による脂肪燃焼効率の減衰が基礎代謝率（BMR）を
低下させ（10年あたり3-5%減）、筋肉量の減少（サルコペニア：20-40%減退）を伴います。
これにより、安静時エネルギ消費が減少し、摂取カロリーの余剰が骨盤周囲脂肪として定着。
サルコペニアはミトコンドリア機能低下を招き、脂肪酸酸化を阻害します。
PMCレビュー（2022年）では、サルコペニアが中央肥満を促進し、
骨盤周囲皮下脂肪増加と筋力低下の相関（r=0.52）をDXA解析で示しています。
JAMA Network Open（2024年）の大規模コホートでは、
高齢者のサルコペニア肥満（SO）が死亡リスクを1.5倍にし、骨盤内臓脂肪が25%増加。
炎症マーカー（CRP）の上昇が脂肪蓄積を加速するとされています。
Frontiers in Endocrinology（2020年）レビューでは、加齢の代謝適応低下がSOを形成し、
骨盤周囲の炎症性脂肪がIL-6産生を増加。
筋肉減少が脂肪分解酵素（HSL）の発現を抑制するメカニズムを詳述しています。
男性中心のCirculation（2023年）RCTでは、レジスタンストレーニングが
筋量を5%向上させ、骨盤内臓脂肪を10%減少。
女性でも同様の効果が期待されますが、筋肉量の性差が蓄積速度に影響します。
PMC（2022年）では、中央肥満がサルコペニア有病率を低下させる
「肥満パラドックス」を指摘し、骨盤脂肪の保護的役割を女性で強調。
代謝低下は骨盤周囲の低酸素環境を悪化させ、脂肪細胞の肥大を促進する要因です。
4. 遺伝的素因と生活習慣の相互作用
gynoid分布の加齢性強調脂肪分布の40-70%は遺伝的で、
gynoid型遺伝子（TBX2, HOXC13など）が骨盤周囲皮下脂肪を好みます。
European Heart Journal（2025年）では、遺伝的gynoid脂肪が
加齢女性の心血管老化を遅延（age-delta減少, p=0.0011）と報告されています。
medRxiv（2024年）プレプリントでは、gynoid分布が内臓脂肪増加を緩和し、
骨盤脂肪の保護因子として機能します。
生活習慣では、座位時間の延長が骨盤血流を低下させ、脂肪分解を抑制します。
PMCレビュー（2019年）では、1日8時間以上の座位が骨盤周囲脂肪を10%増加。
Medical News Today（2023年）では、遺伝的素因と環境要因の相互作用が
下半身脂肪を強調し、加齢で腰囲増加を助長しています。
Endocrinology and Metabolism（2020年）では、ヒップ周囲遺伝子が女性で強く、
加齢による生活習慣悪化が骨盤脂肪蓄積を加速します。
これらの要因は、骨盤周囲を「加齢脂肪の優先領域」に位置づけます。
5. 骨盤周囲の生理学的脆弱性
クッション機能とリスクの二面性骨盤周囲は仙腸関節や大腿四頭筋起始部に近く、
脂肪蓄積が衝撃吸収（クッション）として機能します。
高齢者研究では、お尻皮下脂肪が転倒時の骨折リスクを低減します。
しかし、過剰蓄積は低酸素症を招き、炎症を促進します。
女性のgynoid脂肪は心血管保護的ですが、加齢で内臓脂肪混在がリスクを高めます。
まとめ
科学的理解から始まる加齢管理加齢による骨盤周囲脂肪蓄積は、
脂肪再分布、ホルモン変動、代謝低下、遺伝・習慣の複合結果です。
研究から、早期の生活介入が鍵となります。
専門用語が多かったかもしれませんが、今回のブログで
なぜ、骨盤周囲に脂肪がついてしまうのか？
なんとなくご理解頂ければ幸いです。
次回はこのお腹周りの脂肪を燃焼させる科学的エクササイズを提案しますので
楽しみにしていてくださいね(๑•̀ㅂ•́)و✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)
