職権による不正で、歩合手当を受給した社員を懲戒解雇できる?

庄司英尚

庄司英尚

テーマ:退職・解雇

先日、会社本部への虚偽の売上報告により歩合手当を
不正し、3万円多くもらった社員を悪質な横領である
として、懲戒解雇できないものでしょうか?


詳細としては半年前に部下の派遣社員が販売し
た高額のアクセサリーの歩合分を自分が置かれ
たポジションを悪用し、派遣社員に事情を
説明、納得してもらい、書類を改ざんし、
後から派遣社員にはご飯をご馳走してお礼する
ということで口止めしていたようです。

今はその人は謝罪し、返済することに同意しており、
数字に追われていて改ざんしてしまったと反省。

そもそも、この歩合手当もこの月は、
トータル8万くらいもらっていて、その
うちの3万円分が、不正によるもの
とするとこの従業員を懲戒解雇できる
ほどの重い案件ではないと判断します。

懲戒解雇については、過去のブログでもご紹介したと
思いますが、1番重い処分でその後の再就職にも
影響がありますし、会社側がそのような仕組みや環境、
にまったく問題がなかったとはいえません。

今回は、あくまでフィクションで状況設定していますが、
レジや銀行口座から直接お金を取ったというのとは
ちょっと違うと判断します。

お金の返還は、もちろんのこと、減給または降格なども
検討することになりますが本人への聴取はしっかりした
上で、慎重に判断を下さないと逆に訴えられることも
あるということを覚えておいてください。

こういうのがきっかけで、社員同士の暴露合戦
がはじまり、あの人なんか虚偽申告がものすごい多いとか
店舗内でみんなグルになって本部を騙していることが
発覚したりする可能性もあります。

やはり、会社の体質に問題があるのであって、みんないい
従業員ばかりで頑張ってくれているなどと思っているのは
悲しいかな、経営者だけかもしれません。

もちろん疑ってかかってはいけませんが、一部の社員が
社内の雰囲気を悪くしてしまうということもあるということです。

歩合手当は導入するといいこともありますが、歩合にならない
仕事を軽視し、人間関係が悪化し、協力しない組織風土に
なり、足の引っ張り合いをしたり、影での悪口などが
増えてしまうことがありますので、デメリットも大きい
ことを覚えていただきたく思います。

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庄司英尚
専門家

庄司英尚(社会保険労務士)

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

プロフェッショナル集団として学び続け、サービス業であるということを忘れず、何事にも全力で取り組みお客様の悩みを解決し、最終的には業績アップに貢献できるよう日々努力します。

庄司英尚プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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