賞与の算定対象期間について労働トラブルから考えてみた
同一労働同一賃金は、かなり意識されてきていて
今回のような判決は、後押しすることになります。
世界では当たり前で、日本だけが取り残されていると
ある教授がおっしゃるように、もう待ったなしで
改革が必要。賞与や各種手当の格差是正は、これからの
私たちの業界のテーマになりそうです。
まあ重要テーマが、4つも5つもあるのでそこは、
大変なんですけど、黙って早く行動しろということです。
毎日新聞より
学校法人・大阪医科大学(大阪府高槻市、現・大阪医科薬科大学)のアルバイト職員だった50代の女性が、正職員との待遇格差は違法として、法人に約1270万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は15日、請求を退けた1審・大阪地裁判決を取り消し、約110万円の支払いを命じた。江口とし子裁判長は「賞与を支給しないのは不合理」と述べ、労働契約法に違反すると判断した。女性の弁護団によると、同種訴訟で賞与の格差を違法とする高裁判決は全国で初めて。
判決は、法人が正職員に一律の基準で賞与を支給していた点を重視。賞与が「従業員の年齢や成績に連動しておらず、就労したこと自体に対する対価」に当たるとし、「フルタイムのアルバイトに全く支給しないのは不合理」と指摘した。契約職員には正職員の約8割の賞与が支給されていたことを踏まえ、アルバイトには6割以上を支給すべきだと判断した。
さらに、アルバイトが夏期休暇を取得できず、病気による欠勤中に給与が支払われない点も不合理と認定。一方、基本給の格差などについては退けた。
1審判決(2018年1月)は賞与の格差について「正職員の雇用を確保する動機付けとして一定の合理性がある」と判断。他の請求も退け、女性側が控訴していた。訴状などによると、女性は13年1月に研究室の秘書として採用され、時給制で勤務。約2年後に適応障害で休職し、16年3月に契約を打ち切られた。年2回の賞与が支払われないことなどが、労契法20条が禁じる「不合理な格差」に当たるかが争点だった。
同法人は「判決文が届いておらず、コメントできない」としている。【戸上文恵】
◇「労働契約法に反する」の判断は異例、意義が大きい
脇田滋・龍谷大名誉教授(労働法)の話 非正規職員に賞与を支給しないことが労働契約法に反するという判断は異例で、意義が大きい。同一労働同一賃金は世界的には当たり前で、日本だけが取り残されている。賞与や各種手当の格差是正は一つのステップに過ぎない。正規・非正規の格差を抜本的に解消するため、将来的には基本給を同じにする必要がある。