すぐに答えを求める従業員には、自分で考える癖をつけさせる
人材の定着と育成に関して悩みがない会社など
ほとんどないでしょう。
採用にばかり力を入れて、気づいたら半年ごとにヒトが
入れ替わりまったく落ち着かないということでは、
この人材不足時代に対応できません。
さてそんな中で今回は、中小企業庁の「2017年版中小企業白書」
の調査結果を参考にします。
この調査結果によると人材の定着や育成のために
中小企業が最も有効だと考える取組に
ついては、人材確保成功企業、不成功企業ともに、
「能力や適性に応じた昇給・昇進」となりました。
人材確保成功企業と不成功企業の間で、有効だと考える
割合の差が最も大きかった取組が「職場環境・人間関係への配慮」。
人材確保成功企業は、28.7%、不成功企業は、21.5%となっており、
そのポイント差は7.2。
この部分の有効性の認識の差がこれだけ大きいのは、何か理由が
あると思います。
特に若年人材の採用・定着に大きな影響が出ている可能性
もあるので、もし心当たりがある会社であれば早急に対策しましょう。
会社の独自の風土、古い伝統やこだわりも大切だが、現代の人に
は通じない古い社内ルールなどが残っていて、それらが若年人材
にとってモチベーションが下がる要因である可能性が高いと思われます。
自分たちで気づいていない、あるいは自社の置かれた立場を勘違いして
いたら、もう大変です。意外と他人は厳しいことを指摘しないもので
まあ仕方がないと流してしまいがちなのです。
採用すること活動自体は大変重要なのはいうまでもない
のですが、その採用した人材が定着し、育ち、利益をもたらす
いわゆる稼ぐ人材になってもらわないといけません。
会社は、人材採用に投資ばかりして、リターンが得られない
という倒産予備軍企業になってしまいます。
先日もお客さんの従業員全員との懇親会で、ちょっとだけ
話をさせていただいた「働きやすい職場環境の構築」
の重要性をどう伝えていくかを考えていきます。
今の旬のテーマは、やはりベースがここだと思いますし、
経営陣もよくわかっていることと思います。
そこにあえて私は今まで以上にこだわりたいと思います。
それが生き残りの分かれ目になるならやるしかないですからね。
人材確保成功企業の考えを尊重し、「職場環境・人間関係への配慮」
を軽視することなく、あえてこの部分に力をいれ、さらに
同時に生産性の向上を目指していければと思います。
2017年版 中小企業白書の一部よりデータ引用
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/h29_pdf_mokujityuu.html